【市況】米国株式市場見通し: FOMCが開催予定
米国による対外政策を巡る先行き不透明感が株価の重しとなるだろう。トランプ大統領は、28-29日に開催される主要20カ国・地域(G20)首脳会議を前に米中首脳会談の実施を要請しており、中国が会談に応じなければ追加の関税措置を課す方針だ。また、ホルムズ海峡付近で石油タンカーが攻撃された事件の責任がイランにあると非難しており、軍事衝突に発展するリスクが強まっている。
18-19日に連邦公開市場委員会 (FOMC) が開催される。5月の雇用統計や消費者物価指数が予想を下振れたほか、パウエルFRB議長は必要であれば利下げを検討するとの姿勢を示しているが、今回の利下げ可能性は低いだろう。声明文や会見から経済・金利見通しの変更、利下げ可能性や時期などについて何らかの示唆を得られるかが焦点となる。先物市場では、次回7月のFOMCでの利下げが8割以上織り込まれている。
今週はグラフィックソフトのアドビ・システムズ(18日)、書店のバーンズ・アンド・ノーブル(19日)、ソフトウェアのオラクル(19日)やレッドハット(20日)、レストラン運営のダーデンレストランツ(20日)、食品小売のクローガー(20日)、食品会社のクラフト・ハインツ(21日)などの発表が予定されている。バーンズ・アンド・ノーブルは、ポール・シンガー氏率いるエリオット・マネジメントと約4.8億ドルで売却合意しており、今後の経営再建策について発表があるか注目したい。
経済指標関連では、6月NY連銀製造業景況指数(17日)、6月NAHB住宅市場指数(17日)、5月住宅着工・建設許可件数(18日)、5月景気先行指数(20日)、6月マークイット米国製造業PMI(21日)、5月中古住宅販売件数(21日)などの発表が予定されている。4月の住宅着工・建設許可件数はともに3月から増加し、住宅市場の需要拡大が示された。5月NAHB住宅市場指数も上昇しており、引き続き、住宅市場の堅調さを確認できるかが焦点となる。
(Horiko Capital Management LLC)
《FA》
提供:フィスコ