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【特集】ユニリタ Research Memo(6):2020年3月期は増収増益を見込む。成長分野への先行投資を継続

ユニリタ <日足> 「株探」多機能チャートより

■業績見通し

2020年3月期の業績予想についてユニリタ<3800>は、売上高を前期比6.1%増の10,000百万円、営業利益を同8.8%増の1,000百万円、経常利益を同6.9%増の1,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同20.1%増の750百万円と増収増益を見込んでいる。ただ、利益予想については、中期経営計画(営業利益1,100百万円、当期純利益820百万円)を下回る水準に見直しされている。

売上高は、注力する「クラウド事業」と「プロダクト事業」、「ソリューション事業」がそれぞれ順調に伸びる見通し。また、利益面でも、増収により増益を確保する想定である。ただ、営業利益が中期経営計画を下回る水準に見直しされたのは、成長分野であるクラウド事業の収益改善の遅れ(先行投資の継続的投入)と管理コストの上昇(社内情報システム強化のための追加投資など)が理由である。その結果、営業利益率は10.0%(前期は9.8%)とわずかの改善にとどまる見通しとなった。

弊社でも、顧客のデジタル変革の取り組みが事業部ITへと拡がるなかで、マーケットニーズを捉えた既存自社製品の販売が好調であることや、グループ内のコンサルティング機能との連携によるソリューション提案が軌道に乗ってきたことなどから、売上高予想の達成は可能であるとみている。また、利益面についても、今後の収益基盤の確立に向けた継続投資が想定されるものの、利益予想の前提には合理性があると評価している。最大の注目点は、2019年3月期までの進捗にやや遅れがみられた既存製品のクラウドサービス化(ユニリタクラウドサービスの実装)の進展や、パートナー各社との協業モデルづくりの推進のほか、先行者利益を目論む新規事業の収益化に向けた道筋にあると捉えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《YM》

 提供:フィスコ

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