【材料】クイック---19年3月期9期連続の増収増益を達成、売上高・利益とも過去最高を更新
クイック <日足> 「株探」多機能チャートより
クイック<4318>は4月26日、2019年3月期連結決算を発表した。売上高が前期比14.3%増の191.73億円、営業利益が同17.4%増の25.81億円、経常利益が同22.5%増の28.18億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同20.8%増の19.66億円となった。9期連続の増収増益を達成するとともに、売上高・利益とも過去最高を更新した。
人材サービス事業の売上高は前期比16.0%増の114.99億円、営業利益は同14.3%増の19.84億円となった。人材紹介では、一般企業向け専門職・技術職の人材紹介、看護師紹介の売上高はともに順調に拡大した。人材派遣・紹介予定派遣・業務請負等では、医療・福祉分野のスタッフ派遣や保育士派遣が引き続き好調だった。また、オフィスワークやIT・Web関連職種を中心にパートタイム派遣の業績も堅調に推移した。
リクルーティング事業の売上高は前期比7.2%増の39.60億円、営業利益は同13.8%増の10.03億円となった。中途採用領域では派遣登録スタッフの求人広告の取り扱いが好調だったほか、正社員及びアルバイト・パートの求人広告の取り扱いも堅調だった。また、新卒採用領域も、2019年3月より販売を開始した2020年3月卒業予定の大学生向け新卒採用広告や合同説明会等のイベント出展が拡大する等、業績は堅調に推移した。さらに、コンサルティング商品や人事業務請負サービス、研修、適性検査等の取り扱いも順調に推移した。
情報出版事業の売上高は前期比12.4%増の19.80億円、営業利益は同52.4倍の1.78億円となった。「金沢情報」が「春の特大号」で単号の過去最高売上高を更新したほか、生活情報誌が堅調に推移した。また、北陸の住宅情報誌「家づくりナビ」は堅調に推移したほか、北陸の結婚情報誌「結婚SANKA」は従来の紙媒体と併せて課金型のWebメディアをスタートさせる等、新たな収益モデルの確立に取り組んだ。一方、メディア以外のサービスでは、ポスティングサービスが順調に推移し、「ココカラ。」ブランドで展開するコンシェルジュサービスでも転職領域を中心に、全ての領域において業績が大きく拡大した。
その他の売上高は前期比23.4%増の17.32億円、営業利益は同10.8%増の2.19億円となった。ネット関連事業では、人事・労務に関する情報ポータルサイト「日本の人事部」の広告収入が順調に拡大した。海外事業では、QUICK USA, Inc.において、米国国内は企業の採用意欲が旺盛なことから失業率の低下傾向が続く中、外国人の就労ビザ取得の厳格化を背景に日系企業が求める日英バイリンガル人材の獲得競争はさらに激しくなっており、同社は、こうした中、求職者・採用企業双方へのきめ細かな対応や取引条件の改善等に取り組み、人材紹介の業績が順調に拡大した。上海クイック有限公司は、人事労務コンサルティング、人材採用コンサルティングともに業績が大きく拡大した。QUICK GLOBAL MEXICO,S.A.DE C.V.では、人材紹介の業績が堅調だった。Centre People Appointments Ltdにおいては、英国のEU離脱問題の先行きが不透明な中、現地日系企業からの採用ニーズの確保、Webを活用した登録者獲得強化に努めるとともに、営業体制の充実にも継続的に取り組み、人材紹介及び人材派遣とも順調に推移した。QUICK VIETNAM CO.,LTD.においても人材採用支援サービスが好調だった。
2020年3月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比9.2%増の209.40億円、営業利益が同13.1%増の29.20億円、経常利益が同4.7%増の29.50億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.5%増の19.95億円を見込んでいる。連結業績見通しにおける営業利益の増加率に比べ、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益の増加率が緩やかなのは、前期において営業外収益としてワークプロジェクト(本社:大阪市)が箕面市に認可保育園を開園したことによる助成金収入198百万円があったためで、今期については、こうした特殊要因の発生を織り込んでいないとしている。 また同日、2019年3月期の1株当たり期末配当について、直近予想の21.00円から2.00円増額し、23.00円とすることを発表した。
《MH》
提供:フィスコ