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【市況】【植木靖男の相場展望】 ─ 始まる令和相場、個別材料株で道を拓く! <GW特集>

株式評論家 植木靖男

「始まる令和相場、個別材料株で道を拓く!」

●日本株を左右する米国市場は高値もみ合いか

 令和騒ぎに明け暮れた10連休も折り返し、後半に入った(本稿執筆は5月3日)。正直、これほど長く感じる休みはない。長い休暇に慣れない日本人にとっては戸惑いあるのみだ。

 さて、連休前半が終わった段階で連休後の株価を考えてみたい。

 いうまでもないが、日本株は売買代金の60~70%を海外勢に依存しており、海外株、特に米国株の動向に左右されやすいことはいうまでもない。

 その米国株は連休入り後、どう展開しているか。 NYダウは4月29日(11ドル高)、30日(38ドル高)と連騰したが、4月23日の高値2万6695ドルには届かず、逆に5月1日(162ドル安)、2日(122ドル安)と急落。連休入り直前の水準を下回ってきた。

 結果として、2018年10月3日の史上最高値2万6951ドルを目前に高値波乱商状となっている。

 子細にみれば、4月30日以降、3日連続の日足陰線である。罫線(チャート)上、これは好ましくない現象であることはいうまでもない。

 この背景には米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の低インフレは一時的との発言があった。なにか喉元に刃物を突きつけられた格好だ。

 金融緩和を拒否されたのだ。いまの米国株価は景気拡大で利上げされるよりも、むしろ利下げを支持しているかにみえる。投資家の頭は混乱の極みにある。こうなると、5月3日の 米雇用統計の結果がより注目されることになろう。(編集部注:執筆時点は未公表。3日に発表された4月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月比26.3万人増と市場予想の約18万人を大幅に上回り、失業率も3.6%と約49年ぶりの低水準となった。一方、平均時給の伸びは市場予想を下回り、米経済の良好さとインフレ圧力の低さを示すものとなった)

 ともあれ、米国株はしばらくは高値もみ合いとみるしかない。もっとも、過去のケースでは目標値、ここでは18年10月の史上最高値に迫るとき軽い押し、もしくは短期保ち合いをみせることが多い。ナスダック、S&P500がすでに高値を更新しているだけに、NYダウも高値更新の可能性は十分考えられよう。

●二番天井の警戒圏入りは?

 こうした米国株の先行きを考慮して日本株(日経平均株価)の行方を予想してみたい。

 シカゴ日経平均をみれば、現状、連休入り前の水準とあまり変化はなさそうだ。仮にこの水準でもみ合うと、先行き不安感が募ることもあり得よう。

 だが、日柄でいえば18年12月25日安値1万9155円(終値ベース)からのそれは連休入り前で82日。この分では来たるべき二番天井を巡っての警戒圏入りはこれまでの経験則からは5月中旬頃からと判断される。それまでどこまで上昇するのかは定かではない。米国株の今後を注視するしかないだろう。今後、最も注目すべきはやはり米国の長期金利だ。再び上昇の兆しが垣間見える。

 では、当面の物色をどう見るべきか。現在の指数の位置からすれば、やはり個別材料株が中心となろう。第一三共 <4568> 、エムスリー <2413> 、それに楽天 <4755> などもまだまだおもしろそうだ。

2019年5月3日 記

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