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【市況】前場に注目すべき3つのポイント~これまで以上に底堅さが意識されてくる可能性

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

12日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:これまで以上に底堅さが意識されてくる可能性
■前場の注目材料:安川電、今期6.6%営業減益見込み、コンセンサス下回る
■住友化、農薬開発にAI、ミツバチ殺さぬ殺虫剤、毒性抑えた成分算出

■これまで以上に底堅さが意識されてくる可能性

12日の日本株市場は、模様眺めムードが強いものの、買い優勢の相場展開が意識されそうだ。11日の米国市場はNYダウ、ナスダックともに下落。3月生産者物価指数の上振れといった経済指標の結果を受けて買いが先行したが、本格化する決算を前に模様眺めムードが強まっていた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比40円高の21710円。円相場は1ドル111円60銭台と円安に振れて推移している。

決算については日本も同様に今後本格化することから、模様眺めムードの強い相場展開であろう。注目されていたファーストリテ<9983>と安川電<6506>の決算については、ファーストリテの2Q営業利益はコンセンサスを上回っており買い先行の展開になろう。

安川電の前期着地及び今期見通しはコンセンサスを下回っているが、自社株買いの発表が下支えになりそうだ。米中通商協議の進展期待や中国経済の過度な減速懸念が後退していることをみると、決算内容にかかわらず、新規のロングポジションは入らなくとも、ショートカバーは入りやすいだろう。

その他、米長期金利の上昇で、ゴールドマンサックスやJPモルガンなどの金融各社が堅調推移となったほか、円相場が円安に振れて推移していることが買い戻しを誘いやすい。また、市場反応は限られていたが、欧州連合(EU)が英国の離脱期限を10月31日まで再延期することを決めたことで、日本の10連休中における過度な波乱に対する警戒感は和らぎ、リスク回避姿勢が後退する可能性がある。

その他、連休を前にキャッシュ化からロングポジションを減らす局面もあろうが、リスク回避姿勢が和らぐことによって、売り込まれている銘柄などへは押し目拾いの動きも増えてくるとみられ、これまで以上に底堅さが意識されてくる可能性も期待されるところである。

12日の米国市場ではJPモルガンやウェルズ・ファーゴの決算が予定されており、決算発表が本格化する。まずは両社の出足が安心感につながるようだと、日本の10連休中にピークを迎える米決算に対しても過度な警戒が和らぐことも考えられよう。


■安川電、今期6.6%営業減益見込み、コンセンサス下回る

安川電<6506>は11日、2019年2月期決算を発表。売上高は4746.38億円、営業利益が497.66億円と従来計画を下回っての着地だった。2020年2月期の営業利益は前期比6.6%減の465億円を見込んでいる。慎重な見方であったコンセンサス(485億円程度)を下回る。一方で、200万株の自社株買い(発行済み株式数の0.76%)発表が下支え要因に。


■前場の注目材料
・日経平均は上昇(21711.38、+23.81)
・シカゴ日経225先物は上昇(21710、大阪比+40)
・1ドル111円60-70銭
・VIX指数は低下(13.02、-0.28)
・米中貿易戦争終結への期待感
・日銀のETF購入

・住友化<4005>農薬開発にAI、ミツバチ殺さぬ殺虫剤、毒性抑えた成分算出
・大日住薬<4506>M&A枠6000億円、抗がん剤など柱、中計策定
・伊藤忠<8001>CAMPFIREに出資、ブランド事業、次世代化
・ファナック<6954>高効率の旋盤型、9月に、ナノ加工機開発
・レオパレス21<8848>不備、1万4599棟 3月末時点 調査物件の7割超


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・特になし

<海外>
・時間未定 中・3月輸出(前年比予想:+6.5%、2月:-20.8%)
・時間未定 中・3月輸入(前年比予想:+0.2%、2月:-5.2%)
・10:30 豪準備銀行が半期金融安定報告発表

《SF》

 提供:フィスコ

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