【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):Jマテリアル、ツガミ、ファストリ
Jマテリアル <日足> 「株探」多機能チャートより
ジャパンマテリアル<6055>が大幅高で4連騰と気を吐いている。直近5日・25日移動平均線もゴールデンクロスを示現しており、上値指向の強さを反映している。ここにきて市況底入れ期待から半導体製造装置関連や半導体シリコンウエハーメーカーなどの株価が総じて上昇指向を強めているが、この流れは半導体向け特殊ガスを手掛ける同社にもフォローの風となっている。足もとの業績は好調で、IoT普及を背景としたデータセンターや車載向けなどで需要を取り込んでおり、19年3月期営業利益は前期比31%増の77億円を見込んでいる。
■ツガミ <6101> 976円 +74 円 (+8.2%) 本日終値 東証1部 上昇率5位
ツガミ<6101>が4連騰、オークマ<6103>、東芝機械<6104>、牧野フライス製作所<6135>、DMG森精機<6141>なども軒並み連日の上値追い態勢にあり、工作機械株が異彩を放っている。直近発表された中国の3月PMIなどの経済指標が改善色を示し、中国政府の景気刺激策が奏功したとの見方が強まっている。これが中国向け売上比率の高い工作機械セクターの株価を押し上げる背景にあるようだ。中国では5Gサービス本格化を控え通信大手が関連投資を積極化しており、そのなか部品加工で必須の工作機械需要が増加するとの思惑が株価を刺激している。
■KLab <3656> 910円 +66 円 (+7.8%) 本日終値 東証1部 上昇率8位
KLab<3656>が大幅反発。中国でテレビやゲームなどを監督する国家新聞出版広電総局が2日、新たに認可した輸入ゲーム30本のリストを公開し、なかに同社の「キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~」が含まれていると伝わったことが好感された。中国当局では青少年への悪影響の懸念などを理由として、新作ゲームの販売認可審査を18年3月から凍結していた。なお、「キャプ翼」のほか、日本ファルコム<3723>の「英雄伝説」なども含まれているとされており、日本ファルコムも急騰している。
■三益半導体工業 <8155> 1,682円 +93 円 (+5.9%) 本日終値
三益半導体工業<8155>は3連騰。岩井コスモ証券は2日付で、同社への投資判断「A」を継続した。目標株価は2400円から2370円へ微調整した。株価は昨年12月の安値から切り返しているものの、評価不足という見方は変わらず水準訂正余地は大きいとみている。半導体メモリの生産調整でプライム(新品)ウエハー事業は高原状態となっているが、今下期には再加速するとみている。短期的には、加工賃が改定された再生ウエハー事業が踊り場のプライムウエハー事業をカバーする展開を予想している。第4四半期(3~5月期)は設備の定期修理があり例年利益が落ち込むが、1月から再生ウエハーの加工賃が改定されたことによる業績の上振れを見込む。同証券では、19年5月期営業利益は会社計画の54億5000万円に対して56億5000万円(前期比26%増)になるとみている。
■ファーストリテイリング <9983> 54,620円 +2,820 円 (+5.4%) 本日終値
ファーストリテイリング<9983>が反発。2日の取引終了後に発表した3月の国内ユニクロ売上高速報で、既存店売上高が前年同月比4.5%増と2カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。3月はUT、スウェット、春物アウターなどの春夏商品の立ち上がりが好調だったことが寄与した。なお、前年に比べて休日が1日多かった影響などで客数が同10.1%増となり、客単価は同5.1%減だった。
■アダストリア <2685> 2,527円 +112 円 (+4.6%) 本日終値
アダストリア<2685>は大幅反発。2日の取引終了後に発表した3月度の国内月次売上高で、既存店売上高が前年同月比8.2%増と2カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。前月から継続して春物商品が順調に売り上げを伸ばしたことに加えて、休日が前年に比べて1日多かったことが寄与した。アイテム別では、ブランド横断の販促キャンペーンを展開したトレンチコートをはじめとする軽アウターや、ワンピース、スカートなどが売り上げの中心となった。なお、全店売上高は同5.9%増だった。
■アンリツ <6754> 2,133円 +84 円 (+4.1%) 本日終値
アンリツ<6754>が切り返し、2100円台を回復。3月4日に2379円の年初来高値をつけてからは調整を余儀なくされていたが、時価は売り物が途切れ値ごろ感からの押し目買いや空売り買い戻しが優勢。ゴールドマン・サックスなど外資系機関投資家の空売り残が積みあがっていたが、目先ショートカバーを誘発する流れにある。韓国の通信大手KTが5Gの消費者向けサービスを5日に開始することを発表、スマートフォン対応の5G通信は世界初ということもあって注目度も高い。これが、通信計測器で海外向け実績が高いアンリツの株価にも刺激材料となっている。
■東京エレクトロン <8035> 17,345円 +480 円 (+2.9%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>が3連騰と上値追い基調を強めてきた。きょうの高値まで3営業日で1300円以上の上昇をみせ連日の年初来高値更新、昨年9月初旬以来7カ月ぶりの高値水準に浮上している。米国ではインテルやエヌビディアなど半導体関連株の戻り足が鮮明。半導体投資需要は回復に転じるのは年央以降との見方が強いものの、製造装置メーカーの株価は実態面の底入れに3~6カ月先行して上昇局面に移行するのが常であり、その観点では同社株は既に中期上昇トレンドに突入している可能性がある。
■村田製作所 <6981> 5,736円 +141 円 (+2.5%) 本日終値
村田製作所<6981>が3日続伸。株式分割後株価で取引された3月27日以降、ジリ高歩調で水準を切り上げている。世界トップシェアを誇るセラミックコンデンサーは値上げ効果が発現して「早くも1~3月期から利益率が向上している」(国内証券アナリスト)状態にあり、製品価格上昇のフル寄与が見込まれる20年3月期については利益を大きく後押しすることになる。米中貿易摩擦の影響を受けているが、両国間の通商交渉は進展しているとの見方が強まっており、同社株にとってもポジティブな思惑を与えている。
■野村ホールディングス <8604> 425.8円 +10.1 円 (+2.4%) 本日終値
野村ホールディングス<8604>が4日続伸、値刻みこそ小幅ながら底入れを印象づける動き。テクニカル的にも25日移動平均線を上回ってきたことで追随買いを誘っているようだ。メガバンクや大手証券株の株価出遅れが目立っていたが、目先は全体相場の地合いが改善するなかでリターンリバーサル狙いの買いを引き寄せている。新年度入りで国内機関投資家による新規の買いも加わり、売買手数料の増加など収益環境の風向きが変わるとの見方も、同社株をはじめ証券セクターに物色の矛先を向けさせる背景となっている。
株探ニュース