【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):そーせい、ルネサス、ガンホー
そーせい <日足> 「株探」多機能チャートより
そーせいグループ<4565>が急速人気化し、一時値幅制限上限まで買われた。市場では「同社がノバルティスに導出したCOPD治療剤シーブリが中国で販売されると一部で伝わったようで、これを手掛かり材料に物色人気に火がついたもようだ。バイオ関連の中で同社株は、依然はマザーズ市場のなかで時価総額が突出するなど中心的な銘柄だった。ここ数年は凋落が激しいが、バイオベンチャーが相次いで人気化するなか出遅れ感が顕著だったことも短期資金の流入を加速させたようだ」(国内ネット証券マーケットアナリスト)としている。
■Jティッシュ <7774> 1,137円 +150 円 (+15.2%) ストップ高 本日終値
ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング<7774>は急騰。同社は午後1時、角膜上皮幹細胞疲弊症の治療を目的とした、自家培養角膜上皮(開発名:EYE―01M))の製造販売承認申請を厚生労働省に行ったと発表した。この申請は、眼科医療機器メーカーのニデック(愛知県蒲郡市)からの委託を受けて実施したもので、眼科領域の再生医療等製品では国内初の申請となる。「EYE―01M」は、患者自身の角膜組織の輪部から角膜上皮幹細胞を採取してシート状に培養したもので、これを移植することにより角膜上皮を再建させ、視力、その他臨床症状(眼痛、異物感、流涙、乾燥感など)を改善させることを目的としているという。なお、この件に伴う同社の19年3月期通期業績予想への影響は軽微とし、今後同社の業績に重大な影響を与える新たな事実が判明した場合 は、速やかに公表するとしている。
■リテールパートナーズ <8167> 1,226円 +147 円 (+13.6%) 本日終値
19日、リテールパートナーズ <8167> [東証2]が発行済み株式数(自社株を除く)の6.43%にあたる300万株(金額で40億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は3月20日から8月23日まで。
■日本コークス工業 <3315> 104円 +6 円 (+6.1%) 本日終値 東証1部 上昇率7位
日本コークス <3315> が急反発。19日大引け後、19年3月期の連結経常利益を従来予想の52億円→60億円に15.4%上方修正。増益率が61.1%増→85.9%増に拡大する見通しとなったことが買い材料視された。コークス市況が堅調に推移し、コークス事業の利ざやが改善することが寄与。併せて、発行済み株式数の1.69%にあたる500万株(金額で4.9億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことも好感された。
■ルネサス <6723> 566円 +31 円 (+5.8%) 本日終値 東証1部 上昇率8位
ルネサスエレクトロニクス<6723>は大幅高で3日続伸。同社は車載用マイコンなど半導体の大手だが、中国での自動車向けや工作機械向け需要の急減を背景に、国内外13工場で生産停止に踏み込むと伝わったことで株価を大きく下落させた経緯がある。しかし、空売りも膨らんでおり直近の信用倍率は0.84倍と売り長。更に外資系機関投資家などの貸株調達による空売りも入っているとみられ、足もとはその買い戻しが顕在化しているもよう。半導体需要は依然として警戒感が強いが、既に大底を入れたとの見方もある。なお、米国では半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が2001年以降の最高値に接近しており、日本の半導体関連銘柄の株価も回復を先取りする形で買いが観測され始めている。
■ガンホー <3765> 405円 +22 円 (+5.7%) 本日終値 東証1部 上昇率10位
ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>が大商いのなか切り返し昨年2月26日以来の400円台を回復した。きょうは、米グーグルがクラウドを経由した専用ゲーム機なしでプレーできるゲーム・プラットフォームの「STADIA」でゲーム事業に参入すると発表したことが、ゲーム関連株に幅広く影響を与えている。市場では「任天堂<7974>やソニー<6758>などハード機器を手掛ける企業にとっては、ネガティブ材料だが、スマートフォン向けゲームや映像ソフト、ミドルウェアなどを手掛ける企業にとっては大きな収益機会につながる可能性がある。株価も銘柄によって明暗がくっきり分かれている」(国内ネット証券)としている。きょうは、このほかCRI・ミドルウェア<3698>、シリコンスタジオ<3907>などがストップ高に買われている。
■村上開明堂 <7292> 2,599円 +139 円 (+5.7%) 本日終値
19日に業績修正を発表。「今期配当を6円増額修正」が好感された。
村上開明堂 <7292> [東証2] が3月19日大引け後(15:00)に配当修正を発表。19年3月期の年間配当を従来計画の38円→44円(前期は36円)に増額修正した。
⇒⇒村上開明堂の詳しい業績推移表を見る
同時に発表した「0.78%を上限に自社株買いを実施」も買い材料。
発行済み株式数(自社株を除く)の0.78%にあたる10万株(金額で2億4600万円)を上限に、3月20日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買いを実施する。
■電算システム <3630> 3,340円 +155 円 (+4.9%) 本日終値
電算システム<3630>が全般気迷い相場の間隙を縫って4日続伸と強さを発揮している。情報処理・システム構築を行うほか、払込票決済などコンビニでの収納代行ビジネスも手掛け、キャッシュレス関連として注目されている。2月下旬に、楽天銀行アプリで提供する「楽天銀行コンビニ支払サービス」による収納代行サービス導入したが、今月8日には大阪市が同サービスを導入したことを発表するなど、株価刺激材料に事欠かない。株価は上場来高値圏を走る展開で戻り売り圧力にさらされないことも株高を助長している。
■三井金属 <5706> 2,880円 +113 円 (+4.1%) 本日終値
三井金属<5706>が大幅に3日続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は19日、同社株のレーティングを「ニュートラル」から「オーバーウエート」へ引き上げた。目標株価は2870円から3840円に見直した。「セクター内で最も5G恩恵を享受できる銘柄」として注目している。具体的には「インフラ投資増加による基地局向け高機能箔の増加」「5G対応端末の極薄銅箔の使用原単位増」を挙げている。同証券では、5G関連投資の増加に伴い、21年3月期に向け年換算で約45億円の増益効果を享受できる可能性が高まっている、と指摘。19年3月期の連結最終損益は60億円の黒字(前期は7億800万円の赤字)に対し21年3月期の同損益は200億円の黒字と予想している。
■新日本科学 <2395> 869円 +32 円 (+3.8%) 本日終値
新日本科学<2395>が上値指向。波状的に買いが流入し5日移動平均線を絡め戻り足を強めている。再生医療や遺伝子治療分野などで展開するバイオ関連株への物色人気が続いており、同社もその流れに乗っている。同社は今から60年以上前に日本最初の医薬品開発の受託研究機関として誕生した歴史があり、新薬の開発支援では基礎研究から臨床試験に至るまで幅広く対応、特に鼻から脳への薬物送達を活用した新薬開発に定評がある。19年3月期は10年3月期以来、実に9期ぶりの営業黒字化を見込んでおり、これが評価材料となっている。
株探ニュース