【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):ALBERT、Vコマース、ZOZO
Vコマース <日足> 「株探」多機能チャートより
RS Technologies <3445> が急騰。6日大引け後に発表した18年12月期の連結経常利益は前の期比94.4%増の61.4億円に拡大して着地。続く19年12月期は前期比0.2%増の61.5億円と4期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。前期は再生ウエハーのフル生産に加え、昨年1月に買収した中国プライムウエハー製造メーカーの業績上積みが収益を大きく押し上げた。今期はウエハー単価が軟調傾向にあるものの、プライムウエハーの歩留り改善などで増収増益を継続する。
■ALBERT <3906> 10,380円 +570 円 (+5.8%) 本日終値
ALBERT<3906>が4日ぶり急反発。全体相場がリスクオフに傾くなかで大きく切り返しに転じた。株価はここ調整色をみせていたが、2月18日に開けたマドを埋めたことで足もとは押し目買いが厚みを増している。データ解析からAIアルゴリズムの開発・実装まで一気通貫で対応できる強みを持っており、ビッグデータ活用も商業化に向けた動きが広がるなか、同社の存在が改めて注目されている。人工知能(AI)全盛時代に求められる統計学やコンピューターサイエンスなどを駆使できる人材、いわゆるデータサイエンティストへのニーズが一段と高まっている。同社は、積極的にデータサイエンティストの増員を図っており、今後の業績成長を牽引するとの見方も出ている。19年12月期は営業利益段階で前期比8割増の3億6000万円を計画しているがなお上振れ余地が意識されているようだ。
■バリューコマース <2491> 2,203円 +105 円 (+5.0%) 本日終値 東証1部 上昇率9位
バリューコマース<2491>が大幅高。SMBC日興証券は6日、同社株の目標株価を2600円から2800円に引き上げた。投資評価は「1」を継続した。引き続き、EC(電子商取引)ソリューションが業績ドライバーとなるとみており、ヤフーショッピングストア向けCRM(顧客関係管理)ツール「STORE’s R∞(Rエイト)」の高成長を見込んでいる。また、昨年11月下旬からマーケティングソリューション(アフィリエイト広告)事業の顧客(広告主)向けに提供している新機能「iPush」の貢献にも注目している。
■ダブル・スコープ <6619> 1,551円 +56 円 (+3.8%) 本日終値
ダブル・スコープ<6619>は続急伸、昨年7月2日以来約8カ月ぶりの高値圏に浮上した。世界的な電気自動車(EV)シフトの動きが強まるなか、その動力源であるリチウムイオン電池の市場も急速に伸びる方向にある。直近では独フォルクスワーゲンなどをはじめ欧州勢のEV分野開拓の動きが活発化しているが、国内ではホンダ<7267>が2025年までに欧州で販売する自動車すべてをEVなどの電動車にすることを発表、つれてリチウムイオン電池関連株への視線が再び強まりつつある。リチウムイオン電池用セパレーターの専業メーカーである同社株もその関連有力銘柄の一つ。株式需給妙味も内包する。信用売り残が多く、直近の信用倍率は0.26倍、日証金では株不足で逆日歩が付く状態にある。
■すかいらーく <3197> 1,756円 +38 円 (+2.2%) 本日終値
すかいらーくホールディングス<3197>が続伸。6日の取引終了後に発表した2月度のIRレポートで、既存店売上高は前年同月比3.3%増と7カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。前年2月上旬は降雪によるマイナス影響を受けたが、今年は天候が平年並みであったことが貢献した。また、「ガスト」で1月17日に開始した「麺屋ガスト」フェアが引き続き好調に推移したことや、「ロッテ ガーナチョコ」とコラボレ-ションしたバレンタイン限定企画商品が好評だったことも寄与した。
■日本水産 <1332> 789円 +14 円 (+1.8%) 本日終値
日本水産<1332>、マルハニチロ<1333>など水産株が全般下げ相場のなか頑強な値動きで業種別値上がり率首位となった。東京株式市場は米株安や円高などリスクオフの流れのなか売り優勢に傾いているが、下げを助長しているのは半導体関連などの電機セクターで、内需のディフェンシブセクターである水産株は相対的な強さを発揮している。特に直近は、売れ筋商品である「サバ缶詰」を各社相次いで値上げする動きをみせており、これが買いの手掛かり材料となっている。
■タカラバイオ <4974> 2,720円 +44 円 (+1.6%) 本日終値
タカラバイオ<4974>が続伸。前日の米国株市場でバイオセクターが売り込まれたこともあって、きょうは新興市場を中心にバイオベンチャー関連の株価が総じて下落しているが、そのなかで同社株は異彩の強さをみせている。アンジェス<4563>の「コラテジェン」が近く上市される見通しとなったことを契機に遺伝子治療分野への関心が高まっている。同社は遺伝子工学を活用した治療分野の展開に厚く、免疫細胞のT細胞にキメラ抗原受容体を加えて遺伝子改変を加え、患者の体内に戻すCAR-T療法への展開でも国内随一の実力を有する。腫瘍溶解性ウイルスではメラノーマを対象とした「TBI-1401」の今後の動向に注目が集まっており、国内フェーズ2の終了が秒読みで申請準備段階へと移行する。同薬は今年中にも承認される可能性があり、これを株式市場は織り込み始めている。
■NEC <6701> 3,910円 +40 円 (+1.0%) 本日終値
NEC<6701>が逆行高。株価は5日続伸し昨年来高値を更新している。市場では、「5G」関連の中核銘柄として同社株に注目しているほか、今国会での成立が見込まれている「デジタルファースト法案」の関連株としても関心を集めている。同法案は、行政手続きを原則として電子申請に統一することで、電子政府化を推進するもの。NECは電子政府関連事業を推進していることが評価されている。
■三井不動産 <8801> 2,678.5円 +20.5 円 (+0.8%) 本日終値
三井不動産<8801>、三菱地所<8802>が頑強な値動きをみせている。また、住友不動産<8830>は続伸し、昨年12月17日につけた戻り高値4345円を払拭した。全体相場がリスク回避の売りに晒されるなか、大手不動産株の堅調ぶりが目立つ。日銀の緩和政策に足もと変化はなく、黒田日銀総裁は場合によっては追加緩和も辞さずの構えを明示している。有利子負債の大きい大手不動産にとっては今の超低金利環境の継続は追い風として意識される。また、都心ではオフィス賃貸需要が依然として旺盛で、直近、三鬼商事(東京都・中央区)が発表した2月の東京都心5区のオフィス空室率は1.78%と7カ月連続で低下するなど需給が逼迫しており、これもポジティブ材料となっている。
■ZOZO <3092> 2,285円 +11 円 (+0.5%) 本日終値
ZOZO <3092> が5日続伸。世界最大級の資産運用会社、米ブラックロックの日本法人ブラックロック・ジャパンが6日付で財務省に大量保有報告書を提出。報告書によると、ブラックロックと共同保有者の同社株式保有比率は5.58%となり、新たに5%を超えたことが判明した。これを受けて、需給思惑が働いたようだ。同社株は業績下方修正や相次ぐ撤退を受けて、株価は2月8日に1621円まで下落したが、この日は約1ヵ月半ぶりに2300円台まで回復する場面があった。
株探ニュース