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【市況】前場に注目すべき3つのポイント~地政学リスク警戒の中、バイオ株やIPO銘柄に集中か

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

28日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:地政学リスク警戒の中、バイオ株やIPO銘柄に集中か
■前場の注目材料:ミライトHD、19年3月期純利益予想を上方修正、負ののれん発生益計上
■帝人、米レネゲード買収、炭素繊維、航空・宇宙用途を拡大


■地政学リスク警戒の中、バイオ株やIPO銘柄に集中か

28日の日本株市場は、底堅さが意識されるものの、引き続き薄商いの中でのこう着相場が続きそうだ。27日の米国市場では、NYダウが72ドル安となった。ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が米中交渉の経緯について議会証言を行ったほか、米朝首脳会談の結果を見極めたいとの思惑から下げ幅を縮小しているが、インドとパキスタンを巡る地政学リスクへの警戒感が重石となっている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比変わらずの21560円。円相場は1ドル110円台後半と、前日からはやや円安に振れて推移している。

パキスタン軍報道官は27日、パキスタン領空でインド機2機を撃墜したことを明らかにしたと報じられている。インドとパキスタンの緊張が高まる中、エミレーツ航空やカタール航空などが両国行きの運航を停止しており、地政学リスクへの警戒が売買を手控えさせることになりそうだ。

もっとも、米中協議への進展や米朝首脳会談の市場反応を見極めたいとの流れから下を売り込む流れにはなりづらく、全体としては底堅さが意識されやすい。また、地政学への警戒から先物主導で売り仕掛け的な流れもありそうだが、ポジションが大きく傾くというよりも、短期筋の仕掛け的な動きが中心となろう。弱含む局面においては、押し目拾いの動きも意識されてくることになりそうである。

とはいえ、積極的な売買は引き続き手控えられるため、個人主体の値幅取り狙いの資金は、足元好調なIPO銘柄を中心とした中小型株に集中しやすいと考えられる。マザーズ指数は前日まで8営業日続伸と、リバウンド基調が継続。短期的な過熱感も警戒されやすいだろうが、バイオ株の好調やIPO銘柄の順調な初値形成もあって需給状況は改善傾向にあるとみられる。


■ミライトHD、19年3月期純利益予想を上方修正、負ののれん発生益計上

ミライトHD<1417>は27日、2019年3月期の純利益予想を従来の132億円から232億円に上方修正した。ソルコムの株式を株式交換により取得し、連結子会社化による負ののれん発生益及び段階取得に係る差益を計上。


■前場の注目材料
・日経平均は上昇(21556.51、+107.12)
・ナスダック総合指数は上昇(7554.51、+5.21)
・米原油先物は上昇(56.94、+1.44)
・VIX指数は低下(14.70、-0.47)
・1ドル111円00-10銭
・シカゴ日経225先物は変わらず(21560、大阪比+0)
・日銀のETF購入
・米中貿易戦争終結への期待感


・トヨタ<7203>下げ幅1%未満、部品価格要求、原価低減継続、来年度上期
・藤倉ゴム工業<5121>中国新工場中止、環境規制、浙江省にも、他地域で増産検討
・伊藤忠<8001>医師専用SNS、東南アで展開、シンガポール社と提携
・クボタ<6326>米に多種少量工場、小型建機向け作業部品、100種生産、今年後半に稼働
・帝人<3401>米レネゲード買収、炭素繊維、航空・宇宙用途を拡大


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 1月鉱工業生産速報値(前月比予想:-2.5%、12月:-0.1%)
・10:30 鈴木日銀審議委員あいさつ(水戸市)

<海外>
・09:30 豪・1月民間部門信用(前月比予想:+0.3%、12月:+0.4%)
・09:30 豪・10-12月期民間設備投資(前期比予想:+1.0%、7-9月期:-0.5%)
・10:00 中・2月製造業PMI(予想:49.5、1月:49.5)
・10:00 中・2月非製造業PMI(予想:54.5、1月:54.7)

《SF》

 提供:フィスコ

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