【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):JCU、レーザーテク、カカクコム
JCU <日足> 「株探」多機能チャートより
メッキ薬品大手のJCU <4975> が続急騰。4日大引け後、発行済み株式数(自社株を除く)の3.77%にあたる105万株(金額で15億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は2月5日から5月31日まで。同時に、19年3月期の連結経常利益を従来予想の73億円→70億円に4.1%下方修正したが、こちらへの反応は限定的だった。
■レーザーテック <6920> 4,045円 +405 円 (+11.1%) 本日終値 東証1部 上昇率5位
レーザーテック<6920>は大幅続伸。4日の取引終了後に発表した第2四半期累計(18年7~12月)連結決算が、売上高168億3700万円(前年同期比61.1%増)、営業利益51億4800万円(同57.1%増)、純利益38億4800万円(同59.3%増)と大幅増益となったことが好感された。半導体の最先端分野で、次世代のEUV(極端紫外線)リソグラフィの実用化が近づき、大手デバイスメーカーやマスクブランクスメーカーでEUVリソグラフィに関する積極的な投資が開始されたほか、FPD業界では10.5世代向けを中心にFPD用マスクメーカーの投資が行われており、これを受けて半導体関連装置、その他部門ともに大幅に伸長した。なお、19年6月期通期業績予想は、売上高280億円(前期比31.7%増)、営業利益65億円(同14.3%増)、純利益50億円(同14.5%増)の従来見通しを据え置いている。
■ワールド <3612> 1,822円 +172 円 (+10.4%) 本日終値 東証1部 上昇率7位
ワールド <3612> が続急騰。4日大引け後に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。19年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結税引き前利益は前年同期比2.7%増の142億円で着地。通期計画の127億円を11.3%上回っており、業績上振れを期待する買いが向かった。M&Aの連結加入効果などで売上高は前年同期を上回ったものの、ショッピングセンターでの値引き販売や物流費の増加が響き、営業利益は減益だった。ただ、優先株式の取得と消却に伴う金融収支の改善で、税引き前利益は増益を確保した。予想PER7.3倍、PBR0.7倍台、配当利回り2.7%と指標面での割安感も意識されたようだ。
■カカクコム <2371> 2,100円 +192 円 (+10.1%) 本日終値 東証1部 上昇率9位
カカクコム<2371>が売買高を膨らませ大幅高、約1カ月ぶりに2000円大台を回復してきた。同社はきょう前場取引終了後に19年3月期第3四半期累計(18年4~12月)の連結決算を発表。売上高は398億8400万円(前年同期比19.1%増)と2割近い伸びを示し、本業のもうけを示す営業利益も181億9600万円(同12.4%増)と2ケタ伸長を確保した。価格比較サイト大手として知名度が高く、高水準の広告需要を取り込んでいる。また、飲食店情報サイト「食べログ」の販促が好調で収益に貢献した。
■寿スピリッツ <2222> 4,500円 +390 円 (+9.5%) 本日終値 東証1部 上昇率10位
寿スピリッツ <2222> が続急伸。4日大引け後に発表した19年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益が前年同期比15.6%増の43.4億円に伸びて着地したことが買い材料視された。首都圏でブランド展開する洋菓子店「シュクレイ」の好調が続いたことが寄与。洋菓子「ルタオ」を手掛けるケイシイシイは北海道地震の影響があったものの、道内店舗と国際線ターミナル免税店での売り上げが大きく伸び、増収増益を確保。また、九十九島グループは新製造ライン導入など収益構造の改善に向けた取り組みが奏功し、営業損益が黒字転換した。
■TOA <6809> 1,074円 +93 円 (+9.5%) 一時ストップ高 本日終値
音響システム大手のTOA <6809> が続急騰。4日大引け後に発表した19年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益が前年同期比44.8%増の26.3億円に拡大して着地したことが買い材料視された。国内で商業施設や交通インフラ向け音響システム機器の販売が伸長したうえ、映像機器などの新商品の納入が進んだ。また、アジアでの売上拡大やエジプト向け大型案件も収益を押し上げた。米国部門では原価率の改善が進み、採算が改善した。
■ヤフー <4689> 321円 +27 円 (+9.2%) 本日終値
ヤフー<4689>が大幅続伸。4日の取引終了後、19年3月期の連結営業利益予想について、従来予想の1330億円~1430億円から1400億円~1430億円(前期比24.7%減~23.0%減)へレンジの下限を引き上げたことが好感された。コマース事業におけるモバイルペイメントの立ち上げやメディア事業に関連する費用の増加などで減益を見込んでいるものの、費用投下の進捗や、広告関連事業の業績の上振れなどを考慮したという。なお、同時に発表した第3四半期累計(18年4~12月)決算は、売上高7075億9000万円(前年同期比7.4%増)、営業利益1196億7900万円(同19.0%減)、純利益701億7200万円(同32.0%減)だった。
■日清食HD <2897> 7,670円 +630 円 (+9.0%) 本日終値
日清食品ホールディングス<2897>が大幅高で4連騰。1月中旬以降じりじりと水準を切り上げてきたが、きょうは後場に大口買いが流入し一気に上放れる格好となった。即席麺で業界シェア首位に位置するが、きょう後場取引時間中に主要製品の値上げ(6月1日出荷分から)を発表、これに反応する形で仕掛け的な買いが入った。食品業界では商品値上げの動きが相次いでおり、株価面ではおおむねポジティブに捉えられる傾向が強い。ただ、前日に4月出荷分から牛乳などの乳製品の値上げを発表した明治ホールディングス<2269>については株価への影響は限定的で、株式需給面を背景に個別株の値動きには大きく差異が生じている。
■日本水産 <1332> 722円 +49 円 (+7.3%) 本日終値
日本水産<1332>が後場急伸。午後1時ごろに発表した第3四半期累計(18年4~12月)連結決算は、売上高5432億6100万円(前年同期比6.1%増)、営業利益198億9900万円(同2.5%減)、純利益152億7300万円(同6.7%減)と営業減益となったものの、通期計画に対する進捗率は営業利益で90%となっており、順調な進捗を好感した買いが入った。北米・欧州事業に加えて、ファインケミカル事業が堅調に推移し業績を牽引した。南米鮭鱒養殖事業の昨年の稚魚へい死による影響が残るほか、国内水産・食品事業の苦戦はあるものの、在庫に含まれる未実現利益の調整もプラスに働き若干の減益にとどまった。
■ユナイテッドアローズ <7606> 4,025円 +270 円 (+7.2%) 本日終値
ユナイテッドアローズ<7606>が大幅反発。4日の取引終了後に発表した1月度の売上概況(速報)で、小売りとネット通販を合わせた既存店売上高が前年同月比10.2%増と2ケタ増で12カ月連続前年実績を上回ったことが好感された。1月はセール需要が盛り上がり、メンズ・ウィメンズともにニット、アウターなどの冬物衣料やマフラー、グローブなどの防寒小物の動きが目立った。なお、全社売上高は同5.1%増だった。
株探ニュース