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【市況】前場に注目すべき3つのポイント~ソニーの動向がセンチメントに影響を与える可能性

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

4日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:ソニーの動向がセンチメントに影響を与える可能性
■前場の注目材料:ソニー、今期純利益上振れも減収見込みを警戒
■トヨタ、電動車販売好調、30年目標、HV・PHV5年前倒し、FV・FCVは3年


■ソニーの動向がセンチメントに影響を与える可能性

4日の日本株市場は、上値は抑えられるものの、底堅さが意識される相場展開になりそうだ。1日の米国市場は、1月雇用統計で非農業雇用者数が前月比30.4万人増と大きく予想を上振れ、NYダウは64ドル高となった。一方で、アマゾンが発表した決算で、1-3月期の売上高見通しが予想を下振れ、ハイテク株の重石になっている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比75円高の20795円。円相場は1ドル109円50銭台で推移している。

また、1月31日まで米ワシントンで開かれた米中の高官級通商協議で、中国は大豆の購入を増やすと米国側に提案。トランプ大統領は「米中貿易戦争は近く合意に達する。プロセスは順調だ」と明らかにしたことも伝えられており、安心感につながりそうである。とは言え3月の期限までには楽観視はできないところであろう。その他、トランプ大統領は5日に一般教書演説を行う予定である。メキシコの壁建設の重要性を改めて訴える見通しであり、市場の反応を見極めたいところでもある。

物色としては本格化している決算を手掛かりとした個別対応になる。今週も1200を超える企業の決算が予定されており、決算内容を手掛かりとした日替わり物色が中心になりやすい。米国ではアップルが決算後にアク抜けの動きをみせているほか、国内でも警戒が強まっていたハイテク株の決算に対する安心感もみられている。日替わり物色とはいえ、ハイテク株への見直しが継続するようだと、センチメントを明るくさせることになろう。

ただし、週末に発表したソニー<6758>は、3Q営業利益はコンセンサスを上回っているが、10-12月としてはコンセンサスを下回ったほか、今期売上高は一転して減収を見込んでおり、半導体分野などでの下振れが警戒される。ソニーの動向がセンチメントに影響を与える可能性はありそうだ。

また、個人の需給を悪化させたサンバイオ<4592>の急落についても、一気に需給改善に向かう可能性はないとはいえ、マザーズ指数に対する比率低下によって今後は反応が限られてくる。そのため、指数の落ち着きとともに、今回下げが波及した他の中小型株などは、決算を経て改めて見直しの流れが強まる可能性はあるだろう。


■ソニー、今期純利益上振れも減収見込みを警戒

ソニー<6758>は1日、2019年3月期の純利益が従来の7050億円から前期比70%増の8350億円になると発表。ゲームや音楽などコンテンツ事業の拡大で現金を稼ぐ力が高まっており、2期連続の最高益を見込む。年間配当予想も前期比7円50銭増の35円と前期に引き続き増配を予定。一方で売上高は1%減の8兆5000億円になりそうだと発表し、従来予想(2%増の8兆7000億円)から一転して減収となる。半導体分野など複数の分野で販売が下振れる。


■前場の注目材料

・日経平均は上昇(20788.39、+14.90)
・NYダウは上昇(25063.89、+64.22)
・SOX指数は上昇(1287.40、+15.31)
・VIX指数は低下(16.14、-0.43)
・米原油先物は上昇(55.26、+1.47)
・シカゴ日経225先物は上昇(20795、大阪比+75)
・1ドル109円50-60銭
・日銀のETF購入
・企業業績改善への期待感

・トヨタ<7203>電動車販売好調、30年目標、HV・PHV5年前倒し、FV・FCVは3年
・ダイキン<6367>中国に新工場、フッ素化学品、EV市場開拓、500億円投資
・リコー<7752>ナノテク対象、リチウム電池製造技術評価
・日立建<6305>新型伐採機、林業、ICTで生産性向上、「高く売れる長さ」立案
・東邦鉛<5707>豪鉛鉱山開発に参画、21年めど生産

☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 1月マネタリーベース(前年比予想:+4.6%、12月:+4.8%)

<海外>
・09:30 メスター米クリーブランド連銀総裁が討論会出席(経済見通しと金融政策)
・09:30 豪・12月住宅建設許可件数(前月比予想:+2.0%、11月:-9.1%)

《SF》

 提供:フィスコ

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