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【市況】国内株式市場見通し:日経平均21000円回復も視野に

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

■日経平均は3週連続上昇

前週の日経平均は上昇した。東証1部の出来高は17日にかけて前年の大納会水準を下回る11億株台から10億株台に低迷したものの、日経平均は3週連続高となった。週初21日の日経平均は前週末18日のNYダウが4日続伸し、米中貿易交渉の進展期待が高まったことに加え、1ドル109円台後半までの円安進行を好感して続伸のスタートを切った。一時、前週末比226.61円高の20892.68円まで上昇する場面があった。21日の米国市場が休場だったことを受けて手掛かり難となった22日の東京株式市場は利益確定売りが先行し、日経平均は3日ぶりに反落した。国際通貨基金(IMF)が2019年世界経済の成長見通しを成長率で従来予想の年3.7%から同3.5%に下方修正し、連休明けのNYダウが301.87ドル安と5営業日ぶりに下げに転じて、23日の日経平均も小幅続落となった。日銀は金融緩和策の現状維持を決めたが、市場全体としての反応は限られた。米IBM等主要企業の好決算が相次ぎ23日のNYダウは反発に転じた一方、24日の日経平均は3日続落となった。米中通商協議における新たな進展が見られず、買い手掛かり難の中で利益確定売りに押された。ただ、日経平均20500円割れ水準での押し目買い意欲は強く、下げは限定的で大引けでは25000円台をキープした。25日の日経平均は先物主導で4日ぶりに反発した。時間外取引での米株価指数の上昇や米市場でザイリンクスやラム・リサーチなど半導体関連に好決算が相次いだことを受けてハイテク株中心に買いが先行したことが指数上昇に寄与した。ただ、後場寄り後に前日比269.68円高の20844.31円まで上昇したものの、その後は上値が重く伸び悩んだ。TOPIXは続伸、マザーズ指数は3日続伸となった。

■日経平均は上値挑戦

今週の日経平均は模様眺めムードが漂う中、上値を窺う展開も期待できそうだ。全般は、FOMC、パウエルFRB議長会見、中国国家統計局製造業PMI、米1月雇用統計と金融・経済イベントが集中することから神経質な展開が見込まれる。また、米中貿易摩擦の問題も好悪材料か交錯する中で出口はまだ見えず、世界経済への影響も警戒されている。しかし、ここにきて日経平均、NYダウともに打たれ強さが増してきている。日本電産<6594>や米インテルの業績低迷に対して、株価は悪材料出尽くしのアク抜け感を示す動きを日米ともに示し始めた。東京市場の場合は過度な為替相場の円高が進行しない限り下値耐性を強めている。米予算案に絡んだ政府機関閉鎖の問題解決に前進が見られればNYダウに引き上げられる形で、取引時間中では昨年12月19日(終値では同18日)以来となる日経平均の21000円台回復への挑戦が期待される。テクニカル的に見ても、相場上昇のニュアンスが芽生えている。日経平均の日足チャートは、21日に5日移動平均線が25日移動平均線を上回って以降、下値を25日移動平均線が支えて上値を5日移動平均線が抑え込む形で煮詰まっていたが、25日に5日移動平均線を明確に上回ってきたことから、反転の途上と見ることができる。

■決算発表、自社株買い、指数イベント

一方、主要米国企業では現地時間29日にアップル、30日にフェイスブック、マイクロソフト、アリババ、31日にアマゾンが決算発表を迎える。日本でも30日にNEC、31日にコマツ、ファナック、村田製、任天堂、1日にソニー、ドコモが決算を発表し、物色的には業績相場の展開が強まることが予想される。また、米アップルに自社株買い発表の期待があるように、国内企業にも日本電産<6594>、東京建物<8804>などに続く自社株買い発表企業が増えてくると大型株の戻りに弾みがつく可能性がある。このほか、30日の終値で昨年12月のIPO銘柄である通信キャリアのソフトバンク<9434>がTOPIX組入となる。1月8日のMSCI採用時と同じく指数イベントの盛り上がりで公開価格1500円回復があれば、相場全体の投資マインドが好転するきっかけとなる。

■FOMC、中国製造業PMI、米1月雇用統計

今週の主な国内経済関連スケジュールは、28日に12月19日、20日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨、30日に12月商業販売統計、31日に12月鉱工業生産、1月22日、23日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」、2月1日に12月有効求人倍率・完全失業率、1月新車販売台数がそれぞれ発表される。一方、米国を含む海外経済関連スケジュールでは、28日に米12月シカゴ連銀全米活動指数、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁発言、29日にFOMC(30日まで)、英議会のEU離脱代替案採決、米11月S&PコアロジックCS住宅価格指数、30日に米1月ADP雇用統計、米10-12月期GDP速報値、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長定例記者会見、米中閣僚級の貿易協議(31日まで、ワシントン)、31日にユーロ圏10-12月期GDP、米12月個人所得・個人支出、中国国家統計局製造業PMI、1日に米1月雇用統計、米1月ISM製造業景況指数がそれぞれ発表、予定されている。なお、FOMCで政策金利は2.25-2.50%で据え置かれる見込みで、30日のパウエルFRB議長記者会見の内容が注目される。また、29日に予定のトランプ大統領の一般教書演説は政府機関の閉鎖協議次第となって日程は不透明だ。

《FA》

 提供:フィスコ

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