【市況】米国株式市場見通し:10-12月決算発表が山場
今週は10-12月期主要企業決算が山場を迎える。ファクトセット社の集計によると、25日までに決算発表を終了したS&P500構成企業のうち、約7割が一株利益、約6割が売上高の予想を上回っており、これは概ね過去平均と同程度の水準で、2018年通年の利益成長は約20%となる見込みだ。しかしながら、2019年1-3月期は連邦政府機関閉鎖の影響もあり、慎重な業績見通しが相次いでいる。2019年通年の利益成長見通しも6.3%と、昨年末時点予想の7.8%から大きく低下している。中国との貿易摩擦(通商交渉)と2月15日以降の政府機関閉鎖を回避できるか、政治的な要因が引き続き投資家の最大の関心事項となるだろう。
今週はまず、アップル(29日)やマイクロソフト(30日)、フェイスブック(30日)、アマゾン(31日)の主要ハイテク各社の決算発表が予定されている。中でも年始に中国市場の需要落ち込みを主因に業績下方修正を発表したアップルや、プライバシー問題での収益圧迫が懸念されるフェイスブックは、既に悪材料が相当程度織り込まれていることもあり、決算で更なる状況悪化が確認できなければ株価の反発が期待できそうだ。
そのほか建設機械のキャタピラー(28日)や決済ネットワークのビザ(30日)およびマスターカード(31日)、運輸のUPS(31日)、製薬のファイザー(29日)やメルク(1日)、オークションのイーベイ(29日)、航空機のボーイング(30)、ゼネラル・エレクトリック(31日)、ファストフードのマクドナルド(30日)、電気自動車のテスラ(30日)、石油のエクソンモービル(1日)やシェブロン(1日)などの決算が控えている。イーベイは先週、投資ファンドから提案を受けたチケット再販サイト「スタブハブ」事業の売却などについて経営陣がどのような見解を示すかが注目だ。
経済指標は、1月消費者信頼感指数(29日)、10-12月期GDP速報値(30日)、12月個人消費・支出(31日)、1月雇用統計(1日)などの発表が予定されている。連邦政府機関閉鎖の一時解除を受けて、延期が発表された一般教書演説が当初予定通り29日に行われるかは不明だ。また、連邦政府機関が集計する各種経済指標で滞っていたものが、まとめて発表される可能性がある為、注意が必要だ。
(Horiko Capital Management LLC)
《FA》
提供:フィスコ