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【市況】米株安は想定内、日銀会合の結果を見極め/オープニングコメント

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

 23日の日本株市場は、こう着感の強い相場展開になりそうだ。祝日明けの米国市場では、NYダウが300ドルを超える下落となった。中国経済の減速を主因として、国際通貨基金(IMF)が2019年の世界経済の成長見通しを下方修正したほか、世界経済フォーラム(ダボス会議)でも、一部企業の経営陣や投資家が慎重な見方を示したことが嫌気され、売りが先行。今週予定されていた米中通商交渉が、知的財産権を巡る意見の相違で取り消されたことが報じられると、下げ幅を拡大する展開となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比135円安の20425円。円相場は1ドル109円30銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から売りが先行することになろうが、昨日の段階でグローベックスのNYダウ先物は200ドルを超える下落で推移していたこともあり、ある程度は織り込まれていると考えられる。そのため、売り一巡後はこう着感が強まりやすく、次第に底堅さが意識されてくることになろう。とはいえ、米中通商交渉で知的財産権を巡る意見の相違で進展がみられていないことが伝えられていることから、中国関連のほか、ハイテク株への重石になるだろう。

 また、日銀金融政策決定会合の結果を見極めたいところでもある。政策面では現状維持がコンセンサスではあるが、市場の関心は日銀のETF買入れ比率について、225型を引き下げ、TOPIX型を引き上げるのではないかとの見方がされていることである。足元では影響が警戒されているファーストリテ<9983>が弱い動きをみせていることもあり、まずは日銀総裁の会見などを見極めたいところであろう。ファーストリテについては、仕掛け的な動きも出ていると考えられ、結果を前にショートカバーも意識されやすく、日経平均の底堅さにつながる可能性はありそうだ。

 物色としては、昨日のマザーズ指数は続落となったとはいえ、想定内の調整といったところ。この辺りでの踏ん張りをみせてくるようだと、来週にもテクニカルシグナルは好転してくる可能性がある。短期資金中心で逃げ足は速いだろうが、主力大型株が手掛けづらいなかでは、材料性のある中小型株へは押し目拾いのスタンスになりそうだ。
《AK》

 提供:フィスコ

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