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【特集】新年3大テーマ (1) 新時代幕開け、「改元」に景気浮揚の期待感 <株探トップ特集>

5月1日、日本は「平成の次の時代」を迎える。新元号と10連休というビッグイベントが株式市場にもたらすものは? 注目の銘柄を探った。

―5月即位と新元号に集まる注目、祝賀ムードと10連休の関連株は―

 昨年末は、12月23日に天皇陛下が85歳で在位最後の誕生日を迎えられたこともあり、“平成最後の〇〇”のフレーズが巷に溢れ、平成の終わりを惜しむムードが盛り上がりをみせた。ただ、新年を迎えたことで、今後は5月の新天皇陛下の即位や新元号への改元に向けてその準備が進展をみせるにつれて、新時代への関心が一段と高まりそうだ。また、こうした日程に伴って、今年は特別に4月下旬から5月上旬に掛けて10連休が実施される。これら一連のイベント実施に関連して、ビジネスチャンス拡大が期待できそうな銘柄に注目したい。


●国民の慶祝ムードが景気浮揚に貢献

 天皇陛下は今年4月30日に退位され、皇太子さまが5月1日に即位される。皇太子さまが、5月1日の新天皇即位後に改元の政令を公布された場合、1日中の施行は困難となり改元が翌2日にずれ込む可能性もある。いずれにしても、新元号施行まではあと4ヵ月となり、一般国民の関心も高まりをみせている。また、政府は新たな元号を4月1日に公表する方針を固めた。

 今回の改元は、天皇陛下のご意思による生前退位に伴う新天皇の即位となることから、文字通りの“新たな時代の幕開け”として、従来にも増して国民全体に慶祝ムードが高まることが予想され、これが景気浮揚に貢献することが見込まれる。

●新元号への更新で印刷各社にビジネスチャンス到来

 新元号関連銘柄としては、改元に伴いさまざまな書類などの更新需要が見込める印刷関連の企業が挙げられる。凸版印刷 <7911> 、大日本印刷 <7912> の大手2社は幅広い分野での活躍が見込まれる。更に、オンデマンド印刷にも注力し、企業向けBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)サービスも展開している共同印刷 <7914> 、商業印刷、包装・資材に加え、ラベル印刷も行う野崎印刷紙業 <7919> [東証2]、書籍や雑誌などの出版印刷を事業の柱にし、アート性の高いカレンダーには定評がある図書印刷 <7913> 、文房具、シュレッダーの販売も手掛け、特に情報通信や保険などの個人情報を含む書類を扱う業界に定着している「封筒一体型印刷物」や、窓付き、ミシン目入りなどの加工付き封筒も手掛けるナカバヤシ <7987> 、商業印刷のほか、請求書の印字などの情報処理、発送作業の受託までを手掛け、特に金融機関との取引に強く、多くのビジネスフォームを供給しているカワセコンピュータサプライ <7851> [東証2]も見逃せない。

●IT・ソフトウェア業界もシステム更新で需要に拍車

 一方、新元号に対する“あやかり婚ブーム”の到来が予想されるブライダル関連では、テイクアンドギヴ・ニーズ <4331> 、IBJ <6071> 、アイ・ケイ・ケイ <2198> 、ワタベウェディング <4696> などもビジネスチャンスが拡大しそうだ。

 また、IT・ソフトウェア産業でも「平成」から次の元号への改元に関係する需要が見込めそうだ。業務・組み込みソフト開発を手掛ける独立系SI会社のシステナ <2317> 、クレジットカードなど金融系に強みを発揮するTIS <3626> 、小売向けや地方銀行向けのITコンサルティング、システム構築などが好調のフューチャー <4722> 、中小企業向けERPパッケージ「奉行シリーズ」を手掛けるオービックビジネスコンサルタント <4733> も注目だ。

●10日間の超大型連休実現で旅行関連などに恩恵

 昨年12月、特別法案「天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律」が公布・施行された。これにより、今年は土曜・日曜を含め、4月27日から5月6日まで10日間の超大型連休が実現した。

 まず、海外・国内を問わず、これまでなかった10連休狙いの大型のパッケージツアーを、各旅行会社は投入してくる可能性が高い。海外旅行では、従来1週間以内のプランとして人気の高かったアジアに加え、今年は欧州、北米、南米、アフリア、オセアニアといった遠隔地域の旅行需要増が見込まれている。国内でも北海道、沖縄などでの滞在タイプのゆったり体験型プランが人気化しそうだ。

●HISの海外旅行予約は既に前年同期比約3倍ペースで推移

 海外旅行に強みを持つ大手のエイチ・アイ・エス <9603> が昨年11月12日に発表した“19年の旅行業界の見通し”によると「この時期(対象出発日:2019年4月27日~5月6日)の予約は例年より動きが早く、前年同期比約3倍で推移している。特に長距離路線への予約が顕著で、アメリカ・オセアニア方面へ予約は約4倍、ヨーロッパ方面への予約は約5倍と、高い伸びを見せている。(調査日:18年11月5日)」としている。

 一方、2013年に近畿日本ツーリストとクラブツーリズムが統合した旅行大手のKNT-CTホールディングス <9726> は国内と団体に強みを発揮している。更に、ベテランの旅行者層向けに、世界遺産や自然、伝統などをテーマに、比較的長期で付加価値の高いプランを提供するユーラシア旅行社 <9376> [JQ]に注目。また、交通機関では、国際線首位の日本航空 <9201> や国内線首位・国際線2位のANAホールディングス <9202> 、羽田空港国内・国際ターミナルビルを運営する日本空港ビルデング <9706> 。主な新幹線を運営するJR東日本 <9020> 、JR東海 <9022> 、JR西日本 <9021> にも恩恵が波及する。

●宿泊や航空券予約サイトなどにも恩恵が波及

 7泊8日のクルーズ旅行をネット販売するスタートアップ企業のベストワンドットコム <6577> [東証M]、旅行比較サイト「トラベルコ」で攻勢をかけるオープンドア <3926> 、宿泊施設向け予約管理システム販売を主力とする手間いらず <2477> [東証M]。

 主力航空券予約サイトを運営するエボラブルアジア <6191> 、格安航空券・飛行機・LCCの予約・比較ではskyticket(スカイチケット)を運営するアドベンチャー <6030> [東証M]、経路検索サービス「駅探」を運営する駅探 <3646> [東証M]、菓子大手で傘下の地域限定菓子製販会社を統括でおみやげ関連の寿スピリッツ <2222> 、国内旅行土産品の卸売業で業界大手のタカチホ <8225> [JQ]も注目したい。

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