【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):SBG、郵船、KYB
SBG <日足> 「株探」多機能チャートより
ソフトバンクグループ<9984>が3日続落、フシ目として意識されていた8000円大台ラインを遂に割り込んだ。8000円大台割れは7月2日取引時間中以来約5カ月半ぶりとなる。通信子会社ソフトバンク<9434>の新規上場に伴い2兆6000億円を調達し、財務体質の改善につながったことはプラス材料だが、上場後のソフトバンクの下げで保有する株式の含み益減少が嫌気される状況にある。
■日本郵船 <9101> 1,755円 -84 円 (-4.6%) 本日終値
日本郵船<9101>、商船三井<9104>などの下げがきつく、業種別値下がり率でトップに売り込まれたほか、ファナック<6954>、SMC<6273>、ダイフク<6383>など機械株も大きく下値を探る展開を余儀なくされた。米中貿易摩擦の余波で中国経済へのダメージが警戒され、これが欧州にも飛び火し世界景気減速への懸念が高まっている。前日のFOMCで来年の利上げ回数見通しが3回から2回に引き下げられたが、市場は1回をメインシナリオに置いており、これでも不十分との見方が強い。「既にFRBの認識はマーケットのコンセンサスとずれが生じている。(全体相場は)これを機敏に察知した売り方の仕掛けが炸裂した形だが、先物とは別に景気敏感セクターの現物売りが顕在化してきた」(国内ネット証券アナリスト)という。
■KYB <7242> 2,518円 -114 円 (-4.3%) 本日終値
KYB<7242>は反落。19日の取引終了後、19年3月期の連結業績予想について、営業損益を7億円の黒字から18億円の赤字(前期208億8500万円の黒字)へ、最終損益を23億円の赤字から42億円の赤字(同152億200万円の黒字)へ下方修正したことが嫌気された。建築物用免震・制振用オイルダンパー検査工程における不適切行為に関して、製品保証引当金の繰り入れ対象であった免震・制振用オイルダンパーの本数を変更し、製品保証引当金25億円を第3四半期に追加計上したことが要因としている。なお、売上高は4160億円(前期比5.7%増)の従来見通しを据え置いている。
■伊藤米久HD <2296> 655円 -20 円 (-3.0%) 本日終値
伊藤ハム米久ホールディングス<2296>が5日続落し新安値。野村証券は同社株の投資判断を「バイ」から「ニュートラル」へ引き下げた。目標株価は980円から770円に見直した。加工食品を取り巻く事業環境の悪化が大きいため、20年3月期以降の営業増益率は小幅になると予想している。競合による能力増強が計画されており、業界としてデフレ環境は続くと分析。コンビニエンスストア向けの業務用ハム・ソーセージの単価下落や物流費の増加などが業績悪化要因となるとみている。
■三菱UFJ <8306> 554.4円 -13.9 円 (-2.5%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が3日続落、連日の年初来安値更新となるなどメガバンクが下値模索の動きを続けている。前日の米国株市場ではNYダウなど主要指数が乱高下ののち大幅安で引けており、リスク回避ムードが強い。そのなか債券買いの動きが強まり米10年債利回りは終値で2.77%台まで水準を切り下げるなど下落基調を鮮明としており、大手金融機関にとって運用環境が一段と厳しさを増すとの思惑が買いを手控えさせている。
■メドレックス <4586> 607円 +100 円 (+19.7%) ストップ高 本日終値
メドレックス<4586>がストップ高。同社はきょう、アルツハイマー治療貼付剤「MRX-7MLL」について、米国食品医薬品局(FDA)から現在実施中の非臨床試験内容で臨床第1相試験を開始するのに十分であるとの回答を得たと発表。これにより、早期の新薬承認申請が期待されているようだ。また、新薬承認取得に向けて、メマンチン経口剤との生物学的同等性を示すことができれば、MRX-7MLLの有効性を示す臨床試験(第2相試験、第3相試験)は必要ではないことが確認されているという。同社は今後、従来からの計画通り2019年に治験許可申請を提出する予定だとしている。
■青山財産ネットワークス <8929> 1,250円 +87 円 (+7.5%) 本日終値
青山財産ネットワークス<8929>は反発。SMBC日興証券は19日、同社株の投資評価を「1」でカバレッジを開始した。目標株価2770円としている。同社は東京圏の総資産10億円程度の地主に対するコンサルティング(主に相続対策)で強みを持つ。株式市場では、同社の対象となる個人顧客市場での市場シェアを5.2%程度とみている模様だが、同証券では10%まで伸ばせると想定。18年12月~23年12月期の中期営業利益成長率を18.1%と予想し、今後の業績拡大を見込んでいる。
■ブライトパス・バイオ <4594> 206円 +14 円 (+7.3%) 本日終値
ブライトパス・バイオ<4594>が高い。同社は免疫機能を活用したがん治療薬の開発を手掛けるバイオベンチャー。19日取引終了後、東京大学と完全個別化がん免疫療法に関する共同研究契約を締結したことを発表した。高い治療効果を有するネオアンチゲン(がん細胞固有の遺伝子変異を含む抗原)を決定するアルゴリズムの高精度化を目指す計画で、これを手掛かり材料に投資資金が流入した。
■バルニバービ <3418> 2,015円 +40 円 (+2.0%) 本日終値
19日、バルニバービ <3418> [東証M]が19年1月31日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施すると発表したことが買い材料視された。最低投資金額が現在の2分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かった。
株探ニュース