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【経済】NYの視点:米12月利上げは98%が予想、2019年は利下げ予想も浮上=Fed調査


米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を控えて実施されたCNBCの世論調査によると、回答者の98%が米連邦準備制度理事会(FRB)が12月会合で、追加利上げに踏み切ると見ていることが明らかになった。調査には43名のエコノミスト、ファンドマネジャー、ストラティジストが回答。

しかし、2019年の利上げに関しては様相が変わる。前回の調査で、回答者平均で3回または2回の利上げを予想していたが、現状では1回または2回の利上げ予想に引き下げられた。また、前回まで市場の大半は、FRBが中立水準を上回るまで利上げを継続すると見ていたが、今回の調査ではFRBが中立水準を上回るまで利上げを継続することはないとの予想が上回った。

今後12カ月間に景気後退入りする確率は23%と、トランプ大統領就任後最高に達した。12月に利上げ後のFOMCの行動は88%が利上げを予想しているものの、回答者の12%はFRBが12月利上げ後、2019年10月までに利下げに転じると見ている。KPMGのチーフエコノミスト、ハンター氏は伝統的なリセッションの兆候はイールドカーブの平坦化、住宅投資の鈍化、企業のボンドスプレッドなどにより示唆されるとし、FRBが12月の利上げ後に利下げに転じると予想している12%のエコノミストのうちの一人。割合的には小さいが、前回9月の調査では2019年の利下げの見通しはなかった。

国内総生産(GDP)見通しでは、2018年に3.2%成長したのち、2019年には+2.3%、2020年には+1.8%と潜在的な水準まで減速を予想。最近の株式相場急落の要因として、第1に関税(71%)が挙げられており、FRBの利上げ(37%)や米国経済の弱さ(24%)が占める割合は小さい。また、63%の回答者が最近の市場の株式相場の下落は「行き過ぎ」で、見通しも過剰に悲観的過ぎると指摘。また、64%が2年債と10年債の利回り平坦化も景気後退の兆候とは見ていないことが明らかになった。

万が一、FOMCが12月会合で利上げを見送った場合、サプライズとなり、一時的に株式相場を押し上げる可能性は残る。

■利上げ

利上げ
12月:98%(前回85%)
2019年の利上げ回数:1.8(前期2.5)
2020年の利上げ回数:0.69


12月の利上げ後の行動
利上げ:88%
利下げ:12%
QE導入:0

■金利見通し
2019年末:2.7%(前回3.0%)
2020年末:2.7%(前回3.0%)
2021年末:2.7%
長期:3.1%(前回3.3%)

FRBは中立水準を上回る:36%(前回55%)
上回らない:57%(前回38%)
わからない:7%

■今後12カ月に景気後退入りする確率:23%

■トランプ大統領の経済政策
支持:52%(前回66%、トランプ大統領就任後最高)

■株安の要因
71%:関税
55%:世界経済の成長減速
37%:FRBの利上げ
32%:企業収益
24%:米国経済の弱さ

63%:過剰に悲観的
27%:適切
7%:過剰に楽観的

■米10年債利回り見通し
2019年末:3.16 %(前回3.56%)

■見通し
GDP
2018年+3.2%
2019年+2.3%
2020年+1.8%
2019年インフレ2.2%、失業率3.7%

■経済の脅威
1)保護主義:31%
2)FRBの政策の間違い:19%
3)世界経済:17%
4)金利の上昇10%

■利回り曲線、米2年債と10年債利回り格差
景気後退を示唆:2%
景気後退の兆候に近づく:29%
景気後退を示唆していない:64%

《CS》

 提供:フィスコ

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