【市況】前場に注目すべき3つのポイント~利食い優勢も出遅れている自動車や銀行などへの見直し
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
4日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:利食い優勢も出遅れている自動車や銀行などへの見直し
■前場の注目材料:ピジョン、3Q営業利益12.9%増、進捗率は82.3%に
■椿本チ、静音チェーン生産増強、埼玉に10億円超投資
■利食い優勢も出遅れている自動車や銀行などへの見直し
4日の日本株市場は、やや利食い優勢の相場展開になりそうだ。3日の米国市場では貿易摩擦への懸念後退から投資家心理が改善し、買い戻しの動きが広がった。NYダウは287ドル高と上昇しているほか、ハイテク株の上昇もみられており、安心感につながろう。一方で、昨日の段階でグローベックスのNYダウ先物は500ドル近く上昇していたこともあり、織り込み済みといったところである。シカゴ日経225先物清算値は大阪比5円安の22635円だった。
とはいえ、貿易摩擦への過度な懸念が後退したことでアマゾンやアップル、ネットフリックスといったFANG銘柄のほか、AMDやエヌビディア、マイクロン・テクノロジーなどの半導体株、さらに中国が輸入自動車の関税引き下げに合意したと言及したことで、GMやフォードといった自動車株の上昇がみられており、安心感につながろう。
また、昨日の東証1部の出来高は13億株台と低水準であり、オーバーナイトのポジションを避ける中で、大引けにかけては上げ幅を縮めている。全体としては景気敏感株への買い戻しの流れが強まっており、内需・ディフェンシブ系は利食い優勢といったところから、リバランス中心ではある。織り込み済みとは言え、週明けの米国市場が強い動きをみせたことから、改めて好感した流れとなる可能性も期待されるところである。リバランスながらも、相対的に出遅れている自動車や銀行など金融セクターへの見直しも期待されるところである。
なお、テクニカル面では日経平均は11月8日の直近戻り高値を突破し、一目均衡表では雲下限を突破し雲上限レベルを捉えてきている。雲上限は今後22700円処での横ばい推移が続くため、ここからは強弱感が対立しやすく、まずはこれを突破できるかを見極めたいところであろう。この水準をクリアしてくるようだと、強気スタンスに向かいやすい。また、マザーズ指数も7営業日続伸となった。こちらも利食いが出やすいところであるが、外部環境に対する不安感が一先ず落ち着く格好となったことから、年末ラリーを意識した個人主体の売買が活発化しやすくなるとみておきたい。
■ピジョン、3Q営業利益12.9%増、進捗率は82.3%に
ピジョン<7956>は3日、第3四半期決算を発表。売上高は前年同期比5.4%増の793.94億円、営業利益が同12.9%増の168.60億円だった。国内ベビー・ママ事業、中国事業、シンガポール事業、ランシノ事業の販売実績が好調に推移した。通期計画に対する第3四半期営業利益の進捗率は82.3%となる。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(22574.76、+223.70)
・NYダウは上昇(25826.43、+287.97)
・ナスダック総合指数は上昇(7441.51、+110.98)
・1ドル113円50-60銭
・SOX指数は上昇(1272.74、+33.14)
・VIX指数は低下(16.44、-1.63)
・米原油先物は上昇(52.95、+2.02)
・米長期金利は低下
・日銀のETF購入
・好調な企業業績
・補正予算への期待
・椿本チ<6371>静音チェーン生産増強、埼玉に10億円超投資
・堀場製<6856>血液検査機器を拡充、ローム<6963>の事業買収
・IHI<7013>バイオジェット燃料供給体制、昭和シェル<5002>と検討
・富士通<6702>AIで農産物生産量予測、来月、実証開始
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:50 11月マネタリーベース(10月:前年比+5.9%)
<海外>
・09:30 豪・7-9月期経常収支(予想:-102億豪ドル、4-6月期:-135億豪ドル)
《SF》
提供:フィスコ