【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):ソフトバンク、東映、JAL
ソフトバンク <日足> 「株探」多機能チャートより
徳島銀行、香川銀行、大正銀行を傘下にもつ広域銀行持株会社のトモニホールディングス<8600>は13日取引終了後、19年3月期通期の連結業績予想の修正を発表した。経常利益を142億円から154億円(前期比6.0%減)へ、最終利益を95億円から110億円(同1.4%減)へそれぞれ増額した。銀行子会社3行で、有価証券利息配当金が当初予想を上回る見込となったことや、経費および与信関連費用が当初予想を下回る見込となったことが上方修正に寄与した。あわせて発表した第2四半期累計の連結決算は、経常収益368億7100万円(前年同期比5.6%増)、経常利益88億1000万円(同0.6%増)、最終利益65億7900万円(同12.1%増)だった。
■ソフトバンクグループ <9984> 9,362円 +421 円 (+4.7%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>が続伸。前日の米国株市場ではNYダウは3日続落したものの、半導体関連は高いものが多く、そのなかエヌビディアがアナリストの投資判断引き上げを背景に5%を超える上昇をみせた。これが、ビジョン・ファンドを通じてエヌビディアに出資するソフトバンクグループにとっては追い風材料となった。また、シェアオフィスを手掛ける米ウィーワークに追加出資することが伝わったことも同社の株価を刺激している。また、市場では12月19日に東証に新規上場する通信子会社ソフトバンク<9434>に対する思惑もあり強弱感が対立している。
■東映 <9605> 12,510円 +470 円 (+3.9%) 本日終値
東映<9605>が後場一段高。午後2時ごろに発表した第2四半期累計(4~9月)連結決算が、売上高647億6400万円(前年同期比2.8%増)、営業利益107億9700万円(同14.0%増)、純利益46億7000万円(同23.7%減)と2ケタ営業増益となったことが好感された。映画事業で、「劇場版仮面ライダービルドBe The One/快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film」が好成績を収めたのに加えて、「孤狼の血」「終わった人」「劇場版七つの大罪 天空の囚われ人」が堅調に推移したことが貢献。またコンテンツ事業で、アニメ関連の中国向け大口映像配信権の販売本数が増加したことや、北米向け映像配信権の販売が好調だったのに加えて、国内外で「ドラゴンボール」シリーズのゲーム化権販売が好稼働したことも寄与した。なお、19年3月期通期業績予想は、売上高1218億円(前期比2.0%減)、営業利益172億円(同1.5%減)、純利益88億円(同17.8%減)の従来見通しを据え置いている。
■大同メタル工業 <7245> 897円 +27 円 (+3.1%) 本日終値
大同メタル工業<7245>は後場一段高。午後1時ごろに発表した第2四半期累計(4~9月)連結決算が、売上高538億2200万円(前年同期比5.4%増)、営業利益35億2900万円(同60.8%増)、純利益20億9800万円(同2.8倍)と大幅増益となったことが好感された。国内で自動車用エンジン軸受けやターボチャージャー用軸受けが伸長したほか、中国や米国で建設機械向け軸受けが好調に推移。また、低迷していた船舶向けも増加に転じた。これに加えて、前年同期に生じていた買収2社に関連する一時的な費用がなくなったことや、メキシコ工場の増産に伴うコスト増要因の解消なども寄与した。なお、19年3月期通期業績予想は、売上高1070億円(前期比0.3%増)、営業利益67億円(同2.9%増)、純利益47億円(同43.2%増)の従来見通しを据え置いている。
■ADEKA <4401> 1,758円 +51 円 (+3.0%) 本日終値
ADEKA<4401>が大幅高。午後1時ごろ、19年3月期の連結業績予想について、売上高を2590億円から2980億円(前期比24.4%増)へ、営業利益を221億円から255億円(同19.5%増)へ、純利益を159億円から164億円(同6.9%増)へ上方修正し、あわせて期末配当予想を22円から24円へ増額したことが好感された。9月28日付で持ち分法適用会社だった日本農薬<4997>を連結子会社化したことが売上高・利益を押し上げる見通し。また、足もとで光学フィルムやフォトレジスト向けに光硬化樹脂、光開始剤の販売が好調なことなども寄与する。なお、同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高1261億2700万円(前年同期比10.0%増)、営業利益107億600万円(同4.9%増)、純利益77億5600万円(同6.8%増)だった。
■日本航空 <9201> 4,200円 +91 円 (+2.2%) 本日終値
JAL<9201>、ANAホールディングス<9202>がいずれも上値追い態勢を強めている。原油市況の急落に市場の注目が集まっているが、前日のWTI原油先物価格は4ドル24セント安の1バレル=55ドル69セントと暴落、一時は5ドル以上の下げで1年ぶりに55ドル台を割り込む場面もあった。これで12日続落となり、過去最長の連続下落記録となっている。資源開発や総合商社などエネルギー関連株には逆風材料ながら、一方で燃油コストの大幅な低下期待が空運株にはポジティブに働いている。
■富士電機 <6504> 3,520円 +65 円 (+1.9%) 本日終値
富士電機<6504>が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は13日、同社株のレーティングを「ニュートラル」から「オーバーウエート」へ引き上げた。目標株価は3850円から4700円に見直した。パワエレ・エネルギーや電子デバイスの伸びやディスク媒体事業の好転を受け、19年3月期の連結営業利益を従来予想の627億円から635億円(前期比14%増)へ増額修正している。エクイティストーリーも「独自成長力の顕在化に伴う収益拡大への期待」へ強気に変更している。
■トヨタ自動車 <7203> 6,667円 +122 円 (+1.9%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>は反発。米長期金利上昇に対する思惑が強まるなか、為替相場ではドル高が進行、1ドル=114円近辺で売り買いが交錯する状況で先行き円安に対する期待が漂っている。日米間の貿易摩擦問題は懸念要因としてくすぶるが、輸出株のなかでも為替感応度の特に高い同社株にとって足もとはフォローの風が意識されている。同社の今期の通期想定為替レートは1ドル=110円に修正されたが、実勢はそこからさらに4円近く円安に振れており、収益面でのメリットが期待される。
■三菱UFJ <8306> 676.3円 +9.8 円 (+1.5%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が3日ぶり反発に転じた。同社が前13日引け後に発表した、第2四半期累計(4~9月)の連結決算は持ち分法子会社の米モルガンスタンレーの好調な業績などが反映され、経常収益が3兆3757億3100万円(前年同期比10.0%増)、経常利益8859億1900万円(同2.5%増)、最終利益6507億9600万円(同3.8%増)と増収増益だった。
■沢井製薬 <4555> 5,930円 +60 円 (+1.0%) 本日終値
沢井製薬<4555>が反発。13日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(4~9月)連結業績について、売上高が844億円から887億円(前期比25.4%増)へ、営業利益が105億円から137億円(同22.9%増)へ、純利益が76億円から105億円(同19.4%増)へ上振れて着地したようだと発表しており、これを好材料視した買いが入った。売上高が計画を上回る水準で推移していることに加えて、経費が下期へ一部ずれ込むことが要因としている。
株探ニュース