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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「目先反転も、乱高下続く」

株式評論家 富田隆弥

◆荒れに荒れた10月。ヘッジファンドが決算(10月~11月)を控え、相場が亀裂を入れたことでポジション調整を急いだ。それが膨大な外国人売りの正体だが、相場が下げを強めたことで機関投資家や個人など多くの投資家も利益確定売りを急ぎ、見切り売りに動いた向きも少なくなかった。それが今回の相場急落の主因だ。

◆まさに相場は「需給が最大の要因」である。米国の長期金利上昇、景気と業績のピークアウト観測、米中貿易摩擦と中国の景気鈍化懸念、そしてサウジ問題などはいずれもキッカケにすぎず、また、好業績や1株利益、PERなどの評価軸も下落過程では通用しない。大事なことはトランプ相場から2年、リーマンショックから10年、株式市場は未曾有の過剰流動性を背景に長らく上昇相場を続けていたということだ。

◆テクニカルの過熱を承知しながら「イイとこ取り」で上昇を続ける相場に、世界の運用マネーは「乗らざるを得ない」として米国市場に集まっていた。買うから上がる、上がるから買う…そんな需給相場を長らく続けたが、この10月にその反動が出始めたと言える。

日経平均株価は10月2日高値の2万4448円から日足二段下げとなり、10月25日安値の2万1204円まで3244円幅(▲13.3%)を下げ、25日移動平均線(2万3223円)とのマイナスかい離は8.4%(終値ベース)に達した(本稿執筆現在)。年初来安値更新銘柄は754(東証1部)を数える。同じようにNYダウは10月3日高値の2万6951ドルから▲8.9%、ナスダックは10月1日高値の8107ポイントから▲12.4%も下げた。

◆このような展開になると下値を予測するのは相場に聞くのが一番だが、とはいえここまで大きく下げればそろそろ落ち着き、リバウンド(アヤ戻し)を見せてもおかしくない。切り返すなら3分の1から半値程度の戻りを試す可能性もある。

◆25日の米国市場が大きく戻しており、日本株も目先反発する可能性が高い。だが、10月31日の日銀政策決定会合、11月6日の米中間選挙、そして、11月8日のFOMC(連邦公開市場委員会)とつづき、さらには11月23日のブラックフライデー(年末商戦)と重要イベントが目白押しなだけに、株価はまだ乱高下する可能性があることを覚悟しておきたい。株価対策など何かしら材料出れば買い戻しも強めよう。

◆だが、チャートは日足、週足とも亀裂を入れた。アヤ戻しのあと「調整二波」に動きだすリスクが高く、株価下落により良からぬ材料があとから出てくることも否めない。2年間の反動、もしくは10年間の反動であればそれなりの調整になるだろう。スタンスとしては慎重姿勢が望ましく、動くにしても短期売買に徹するべきだ。

(10月25日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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