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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「同時株安リスク、米国株の半値戻しポイントに注目」

株式評論家 富田隆弥

日経平均株価は10月15日に2万2261円まで突っ込み、ようやく下げ止まった。10月2日高値の2万4448円から日足で基本数値の9本、幅にして2187円(率で▲8.9%)下げて一目均衡表の雲下限(2万2247円)に接近となればいったんは下げ止まってもおかしくない。そして16日、17日の2日間で2万2959円まで700円近く急騰した。急落した後だけに、反発となれば3分の1(729円幅)ほど戻してもおかしくない。

◆だが、反発したからといって「もう大丈夫」とはすぐには言えない。急落の過程で現物や先物に売りが入っており、その買い戻しが一巡すると上値が抑えられ、そしてすぐまた下げ圧力を増すこともある。日足チャートは短期抵抗線や移動平均線(25日移動平均線、75日線、200日線)を軒並み割り込み「陰転」を暗示している。これを「好転」に戻すには少なくとも半値戻し(2万3354円)や25日線(2万3387円)を奪回せねばならない。

◆今回の下落で問題なのは米国を始めとした「世界同時株安」であることだ。ドイツ、イギリス、フランス、イタリアなどの欧州株、上海、深セン、ハンセン、台湾などのアジア株、そのほかブラジル、アルゼンチン、インドネシア、南アフリカ、ロシアなども同じように波乱を呈した。

NYダウ平均は高値から▲7.6%、ナスダック総合は同▲10.2%下げ、いずれも短期抵抗線を割り込んできた。世界の投資マネーがIT大手「FANGプラス」を中心とする米国株に集まり、主要指数はリーマンショックから10年間上げ続けて過去最高値を大きく更新してきた。そうした状況で米国株が陰転すると「親亀コケたら皆コケた」となりかねない。その意味でNYダウ、ナスダックのチャート好転が重要だし、それは外国人投資家が売買シェアの7割を握る日本株の好転にも不可欠だろう。

◆ちなみにNYダウ(17日終値2万5706ドル)の半値戻しは2万5925ドル、ナスダック(同終値7642ポイント)の半値戻しは7690ポイント。好転には少なくともこれらを突破せねばならないが、突破できなければ右肩下がりの圧力がかかり続けることを承知しておきたい。米国の金利上昇や米中貿易摩擦などが同時株安の要因とされるが、それはキッカケに過ぎず、あとは「売り方優勢」という需給がポイントになる。

(8月18日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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