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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

イボキン <日足> 「株探」多機能チャートより

■テンポイノベ <3484>  1,546円 (+300円、+24.1%) ストップ高

 テンポイノベーション <3484> [東証M]がストップ高。同社は飲食店向け店舗賃貸事業を手掛ける。2日大引け後、19年3月期の経常利益(非連結)を従来予想の4.3億円→5.7億円に32.0%上方修正。増益率が8.5%増→43.1%増に拡大し、従来の6期連続での過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料視された。不動産業者との関係強化が奏功し、好採算の物件確保が進んだことに加え、飲食店のスピーディーなテナント入居で賃貸収入や手数料収入が想定より伸びることが寄与。同日、東証が同社株を25日付で東証1部または2部に市場変更すると発表しており、知名度の高まりや株式流動性の向上を期待する買いなども向かった。一方、既存株主による67万9900株の売り出しと、オーバーアロットメントによる売り出しに伴う上限10万1900株の第三者割当増資を実施することを明らかにしたがこちらへの反応は限定的だった。売出価格は10月15日から17日までのいずれかの日に決定する。

■イボキン <5699>  2,740円 (+268円、+10.8%)

 イボキン <5699> [JQ]が急反騰、8月6日の高値2620円を上抜き2ヵ月ぶりに上場後の高値を更新した。同社は今年8月2日にジャスダックに上場したニューフェイス銘柄。工場などの解体・産廃処理を手掛けるが、M&Aによる業容拡大で解体事業の展開力が全国区に広がっており、18年12月期は2ケタ増収を見込む。また、売上高の過半を占める金属事業は鉄鋼メーカーの増産体制を背景にスクラップの取扱高が増勢、収益に寄与している。時価総額は50億円前後と小型で浮動株比率が極端に低い。信用買い残も低水準で品薄銘柄の典型として上値期待が強まっている。

■クロップス <9428>  792円 (+76円、+10.6%)

 東証1部の上昇率2位。クロップス <9428> が続急騰。子会社のテンポイノベーション <3484> [東証M]が2日の取引終了後、東京証券取引所の承認を受けて、10月25日付で東証1部または2部に市場変更することになったと発表しており、これに伴う含み益拡大などに対する期待感から買われたようだ。

■アダストリア <2685>  1,699円 (+147円、+9.5%)

 東証1部の上昇率3位。アダストリア <2685> が続急伸。2日の取引終了後に発表した9月度の国内月次売上高で、既存店売上高が前年同月比3.2%増と2ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。前年に比べて休日が2日多かった一方、地震や大型台風に伴う休業・営業時間変更などが響き客数は同0.5%減となったが、客単価が同3.7%増となり売上高を押し上げた。アイテム別ではジャケットなどのアウター類、長袖シャツやカーディガンなどの秋物商品が順調に売れ行きを伸ばし、ブランド別ではグローバルワーク、ニコアンド、レプシィム、ページボーイなどが好調だった。

■シェアテク <3989>  2,180円 (+177円、+8.8%)

 シェアリングテクノロジー <3989> [東証M]が急反発。同社は工務店と中小事業者をつなぐ生活支援ネット仲介事業を主力に展開している。2日取引終了後、同社が手掛ける海外留学サービス「スマ留」の9月申込件数が前年同月比7.6倍の265件と発表、これを評価する形で大口の買いを呼び込んだ。株価は1日に分割後高値2224円を付けた後、一服しているが再び新値街道への復帰をうかがう。

■野崎紙 <7919>  460円 (+35円、+8.2%)

 野崎印刷紙業 <7919> [東証2]が急反発、高水準の買いを集め需給相場の色彩を強めてきた。8月下旬から9月下旬にかけて漸次下値を切り上げてきたが、9月20日に商い急増のなか40円を超える急伸で市場の耳目を驚かせ、「そこからは確変モードで大口の資金流入が断続的に観測されるようになった」(国内投資顧問)。時価は約19年ぶりの高値水準に浮上。19年前の1999年には6月から7月にかけわずか2ヵ月で200円台後半の株価を600円台前半まで一気に駆け上がった経緯がある。今回もスタート地点は200円台後半で、上昇波はやや緩やかながら、小型株特有の足の軽さをみせつけている。同社は印刷物や包装資材などの紙製品の製造を手掛ける新元号に絡む特需が期待されるほか、ICタグへの展開に注力しセルフレジ関連の有力株としての位置づけがある。また、アマゾンのウェブサービスを通じて業務用値札などの販売にも傾注しており、販売ルート拡充による収益向上への期待が膨らんでいる。株価上昇とともに、信用売り残も厚みを増しており、直近は信用倍率1.45倍と取り組み妙味も漂う。

■アイル <3854>  1,131円 (+78円、+7.4%)

 アイル <3854> が大幅3日続伸。3日午後1時ごろ、楽天 <4755> 、アマゾンジャパン(東京都目黒区)およびLINE <3938> 子会社のLINE Payと協力し、一般向けの「Pay体験イベント」を10月5~6日、東京・二子玉川ライズの「BACKYARD FES.2018(バックヤードフェス)」内で開催すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。同イベント内の商品は現金決済のほか、「楽天ペイ」「Amazon Pay」「LINE Pay」のどのサービスでも決済可能。また、これらのスマートフォンによるQRコード決済(スマホ決済)により全品10%引き価格で購入できるという。なお、複数のスマホ決済サービスが体験できるイベントは業界初となる。

■ラクスル <4384>  3,520円 (+230円、+7.0%)

 印刷通販サイトを運営するラクスル <4384> [東証M]が急反発。英資産運用会社ベイリー・ギフォード・アンド・カンパニーが3日付で財務省に大量保有報告書(5%ルール報告書)を提出しており、これが刺激材料となっているもよう。報告書によれば、ベイリー・ギフォードの同社株式保有比率は5.10%となり、新たに5%を超えたことが判明した。これを受けて需給面での思惑が働き、買いが先行しているようだ。

■田淵電機 <6624>  223円 (+10円、+4.7%)

 東証1部の上昇率8位。田淵電機 <6624> が4日ぶり反発。9月26、27日に連続ストップ高で一気に水準を切り上げた後は目先筋の利益確定売りで調整したが、前日に26週移動平均線近辺まで下押したところで押し目買いが厚くなり反転上昇局面に移行している。同社は6月25日に私的整理制度である事業再生ADRを申請、経営懸念から株価を急落させたが、9月25日に自動車部品メーカーのダイヤモンド電機が支援する方向で合意したと発表、これを契機に投機資金が流入し需給相場の様相を呈していた。目先は再建への思惑先行で高水準の商いが錯綜、荒い値動きで個人投資家を中心とした短期資金の物色ターゲットとなっている。

■大東建託 <1878>  14,940円 (+650円、+4.6%)

 東証1部の上昇率9位。大東建託 <1878> が6日ぶり大幅反発。2日の取引終了後に発表した9月度の月次業績速報で、建設事業の受注高が前年同月比13.1%増の786億8600万円となり、6ヵ月ぶりに前年実績を上回ったっことが好感された。同社株は、TATERU <1435> の融資資料改ざん問題などを背景に、銀行のアパートローン融資基準の厳格化などの見方から、直近で軟調に推移していたことから、9月の受注好調で買い戻しが入ったようだ。

■アイサンテク <4667>  4,045円 (+175円、+4.5%)

 アイサンテクノロジー <4667> [JQ]が大幅高で4日続伸。3日、ダイナミックマップ基盤(東京都港区)と共同で、国土交通省航空局が公募した「空港制限区域内の自動走行に係る実証実験 実証実験実施者」に選定されたと発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回の実証実験は、将来の自動走行車両(レベル4)の導入に向けたファーストステップとして、空港の制限区域内で乗客・乗員の輸送を想定した自動走行の実証実験を予定しており、これに両社が共同で応募し選定されたという。実験時期は今年10月ごろから19年2月ごろの間で、実施場所は仙台空港、成田国際空港、東京国際空港、中部国際空港のうち両社が希望する期間・空港で行われる。

■SI <3826>  2,287円 (+88円、+4.0%)

 システムインテグレータ <3826> が反発。3日、ディープラーニング技術を使ったAI異常検知システム「AISI∀(アイシア)Anomaly Detection」を10月24日に発売すると発表しており、新サービスの業績への貢献を期待した買いが入った。「AISI∀ AD」は、生産現場での製品の品質検査で、これまで人による目視でしかできなかった異常検知を人工知能(AI)により自動でリアルタイムに異常検知できるシステム。通常、AIシステムの導入には多額のコストと時間がかかるが、「AISI∀ AD」は、異常検知に必要な機能をオールインワンで装備しているため安価で短期間に導入でき、AIに不慣れなユーザーやベンダーでも簡単に使いこなすことができるのが特徴という。同社では、販売開始から3年で8億円の販売を計画。なお、19年2月期業績への影響は軽微としている。

■ローソン <2651>  7,020円 (+240円、+3.5%)

 ローソン <2651> が大幅続伸。3日付の日本経済新聞朝刊で「ローソンの2018年3-8月期連結業績は、営業利益が前年同期比1割減の345億円程度になったようだ」と報じられたことが買い材料視された。報道によると「新型レジなどのデジタル投資や『ローソン銀行』の開業費用がかさむため、22%減の305億円を見込んでいた。費用の抑制や採算のいい商品の販売増加などで利益が40億円ほど上振れしたようだ」という。第1四半期(3-5月)の営業利益は前年同期比22%減の126億円だっただけに、足もとの業績回復を好感する買いが向かった。

■加藤製 <6390>  3,600円 (+110円、+3.2%)

 加藤製作所 <6390> が大幅続伸。同社が8月10日に発表した19年3月期第1四半期(4-6月)の決算は、売上高193億3400万円(前年同期比5.9%減)、経常利益15億8300万円(同35.8%増)と減収ながら大幅増益となった。インフラ関連投資の活発な中国向けに油圧ショベルの販売が大幅な拡大をみせていることが寄与している。さらに同社は8月30日、建設用クレーンや油圧ショベルなどの販売を手掛ける子会社をオランダに設立したと発表した。子会社の設立は、欧州での営業・技術サポートを強化し、オランダを含め欧州全域へ販路を拡大することを主な目的としている。

■ユナイテッドアローズ <7606>  4,775円 (+140円、+3.0%)

 ユナイテッドアローズ <7606> が3日ぶり反発。2日の取引終了後に発表した9月度の売上概況(速報)で、小売りとネット通販を合わせた既存店売上高が前年同月比7.2%増と8ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。9月は月中旬からの気温低下により、メンズではシャツ、カット、パンツ、ウィメンズではシャツ、カーディガン、パンツ、スカート、ワンピースなどの秋物需要が動いた。また、著名ブランドのダウンジャケットなども好調だった。なお、前年に比べて休日が2日多かったことで、プラス3.1%程度の影響があったと推測されるとしている。

■アールビバン <7523>  781円 (+21円、+2.8%)

 アールビバン <7523> [JQ]が反発。2日の取引終了後、子会社ダブルラックがデリバティブ取引による利益の計上を行うと発表。これに伴い、集計中の第2四半期累計(4-9月)連結決算でデリバティブ評価益6億100万円を営業外収益に計上するとしたことが好感された。なお、19年3月期業績予想への影響は現在精査中としている。

■電通 <4324>  5,640円 (+150円、+2.7%)

 電通 <4324> が4連騰、25日移動平均線を足場に急浮上し連日の年初来高値更新となった。デジタル時代に合わせた広告事業の展開で業績飛躍を目指すなか、M&A戦略にも力を入れている。2日取引終了後、アジア・オセアニアでライブイベントなどにより体験マーケティングを手掛ける香港・ブランデッド社の株式過半を取得することで合意したと発表、これによる業容拡大効果に期待した買いを引き寄せた。

■キユーピー <2809>  2,700円 (+55円、+2.1%)

 キユーピー <2809> が続伸。2日大引け後に発表した18年11月期第3四半期累計(17年12月-18年8月)の連結経常利益が前年同期比8.3%増の273億円に伸びて着地したことが買い材料視された。中食市場向けにカット野菜や惣菜の販売が好調だったことが寄与。米国乾燥卵相場の回復による単価上昇に加え、高付加価値品が伸長したことも増益に貢献した。併せて、発行済み株式数の2.93%にあたる440万株(金額で101億7700万円)を上限に自社株TOB(株式公開買い付け)を実施すると発表したことも好感された。買い付け価格は2313円、期間は10月3日から31日まで。

■アステリア <3853>  1,114円 (+18円、+1.6%)

 アステリア <3853> が反発。3日午後1時30分ごろ、同社のモバイルアプリ制作プラットフォーム「Platio」(プラティオ)が、18年度グッドデザイン賞を受賞したと発表しており、知名度向上による利用拡大への期待から買いが入ったようだ。Platioは、プログラミングの知識がなくてもブラウザ上のマウス操作でモバイルアプリを手軽に作れるクラウドサービス。カスタマイズ可能なテンプレートを利用して、活用現場に合わせたモバイルアプリを簡単に作成・配信できるのが特徴で、作成したアプリは直感的なユーザーインターフェースで誰でもすぐに使うことができることが評価されたようだ。

■ABCマート <2670>  6,310円 (+80円、+1.3%)

 エービーシー・マート <2670> が反発。2日の取引終了後に発表した9月度概況で、既存店売上高が前年同月比8.7%増と2ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。前年に比べて日曜と祝日が1日ずつ多い曜日並びだった一方、自然災害に悩まされたが、月後半からの気温の低下とテレビCMによる宣伝が奏功し、秋物の新作商品を中心に好調に推移した。

■ベリサーブ <3724>  4,905円 (+55円、+1.1%)

 ベリサーブ <3724> が3日ぶりに反発。大和証券が2日付で投資判断を新規に「2(アウトパフォーム)」、目標株価5440円でカバレッジを開始しており、これを好材料視した買いが入ったようだ。同社は、急拡大する車載・FAや家電向け組み込みソフトのテストサービス最大手。同証券では、爆発的拡大を始めた組み込みソフト開発需要に対し、顧客側の社内SEが不足し同社へアウトソースする傾向が強まり、業績が5~10年スパンで拡大する構図が見え始めたと指摘。19年3月期業績については、会社側の営業利益16億円予想に対して17億円を見込んでいるほか、20年3月期同19億円、21年3月期同21億2000万円を予想している。

※3日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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