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【市況】日経平均は小幅ながら5日続伸、海外勢によるショートカバーの動向を注視/ランチタイムコメント

日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより

 日経平均は小幅ながら5日続伸。0.39円高の23672.91円(出来高概算7億5337万株)で前場の取引を終えた。19日の米国市場では、米中貿易摩擦の過度な警戒感が一服し、アジア・欧州株がほぼ全面高となり、米国株にも買いが先行。中国の李克強首相が輸出競争力を向上させるために人民元切り下げを行わないと発言し、貿易摩擦への懸念が後退した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比60円高の23580円となり、こちらの水準を上回って朝方から買いが先行した。一方で、短期的な過熱感が意識されて利益確定売りの動きが強まり、前引けにかけて上げ幅を縮小する展開となった。

 東証1部の値上がり数は843社と全体の4割に留まった。セクターでは、銀行業、非鉄金属、証券・商品先物取引業、保険業が上昇する一方で、石油石炭製品、金属製品、パルプ・紙はさえない。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>とファナック<6954>の2銘柄で39円の日経平均押し上げ要因となった。

 本日の自民党総裁選の投開票や今週末に予定される日米通商協議(FFR)を控えて、利益確定の動きから、日経平均の上値は重くなっている。物色としては、主要ハイテク株は揃って軟調だが、米長期金利上昇を受けた銀行株のほか、商社株などに足元で関心が向かっている。前週末にかけて歴史的高水準まで上昇したNT倍率の修正が進んでいることがわかる。中期的なトレンドとしては、1月23日の高値24129.34円までの戻りが視野に入るなか、引き続き海外勢によるショートカバーの動向を注視する必要がありそうだ。また、9月中間決算を前に国内法人による売りも出やすいなか、これまで相場上昇を主導してきた短期筋による225先物の利益確定売りには注意したいところ。(雲宮 祥士)
《AK》

 提供:フィスコ

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