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【市況】新興市場見通し:マインド悪化で海外情勢や災害復旧睨み、IPOはマリオンなど2社

マザーズ指数 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の新興市場では、マザーズ指数が急反落した。前週まで買い戻しや押し目買いが入りリバウンド基調だったが、75日線に迫り目先の利益を確定する売りが出た。また、通商問題などを巡る外部環境の不透明感に加え、国内でも台風21号や北海道胆振東部地震といった大規模な災害が相次ぎ、個人投資家のマインドが悪化した。マザーズ指数は週末にかけて節目の1000ptを割り込む場面があった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-2.4%であったのに対して、マザーズ指数は-3.9%、日経ジャスダック平均は-1.3%だった。

個別では、メルカリ<4385>が週間で12.6%安、MTG<7806>が同6.2%安、ミクシィ<2121>が同4.0%安とマザーズ時価総額上位は全般軟調だった。バイオ株ではサンバイオ<4592>が同10.8%安となった。売買代金上位では足元で人気化していたエクストリーム<6033>などに利益確定の売りが広がり、直近上場のGA technologies<3491>もTATERU<1435>の融資書類改ざん問題を受けて急落した。ただ、GA techは機関投資家の買い観測を受けて週末に強いリバウンドを見せた。一方、マザーズ時価総額上位ではラクス<3923>が逆行高となった。また、フィンテック グローバル<8789>は準備中のテーマパークへの期待が高まり、週間のマザーズ上昇率トップだった。ジャスダック主力ではハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同15.6%安、セリア<2782>も同12.9%安と大きく下落した。セリアは8月の既存店売上高がマイナス視された。売買代金上位ではシノケングループ<8909>の下げが目立ったが、やはり不動産株に売りがかさんだ。また、アスコット<3264>が週間のジャスダック下落率トップだった。反面、テリロジー<3356>やオンキヨー<6628>が逆行高となり、地域新聞社<2164>がジャスダック上昇率トップとなった。IPOでは2社が新規上場し、and factory<7035>は堅調な初値を付けた。しかし、ベビー・子供服のナルミヤ・インターナショナル<9275>は公開価格を下回る初値形成となった。

今週の新興市場では、マザーズ指数は戻りの鈍い展開となる可能性がある。いったんは25日線の位置する1000pt水準で下げ渋る動きを見せているが、個人投資家のマインドや需給悪化により早期の持ち直しは期待しづらい。通商問題や災害の影響、復旧状況などに関する報道を睨みながら一進一退となりそうだ。個別では、需給面で銘柄選別色が強まることも想定される。

今週は、9月11日にHEROZ<4382>、12日にSKIYAKI<3995>、13日にラクスル<4384>、サンバイオ、シルバーライフ<9262>、14日にエニグモ<3665>、ジャストプランニング<4287>、明豊エンタープライズ<8927>などが決算発表を予定している。5-7月期決算が物色の手掛かり材料となるだろう。また、12日に米アップルの新製品発表会が予定されており、関連銘柄の動向も注目しておきたい。

IPO関連では、9月13日にマリオン<3494>と香陵住販<3495>がジャスダックへ新規上場する。ともに公開規模が小さく、特にマリオンは「不動産クラウドファンディング」といった時流に乗るサービスを手掛けることから期待が高まっているようだ。ただ、このところの不動産株安が初値に影響する可能性もあるだろう。なお、先週はCRGHD<7041>(10月10日、マザーズ)など3社の新規上場が発表されている。

《HK》

 提供:フィスコ

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