【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):フルキャスト、ファストリ、サイボウズ
ファストリ <日足> 「株探」多機能チャートより
電子部品商社のUKCホールディングス <3156> が大幅反発。13日大引け後に発表した19年3月期第1四半期(4-6月)の連結最終利益が前年同期比42.2%増の8.9億円に伸びて着地したことが買い材料視された。サムスングループへのソニー半導体・電子部品の販売が終了したことが響き35.3%の大幅減収となったものの、高付加価値事業への注力や香港とシンガポールの貸倒引当金の回収などが寄与し、営業利益は9.9%減にとどまった。受取配当金や為替差益が増加したことに加え、前期に計上した過年度決算訂正関連費用がなくなったことで最終利益は大幅増となった。上期計画の12億円に対する進捗率は74.7%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。
■フルキャスト <4848> 2,788円 +127 円 (+4.8%) 本日終値
フルキャストホールディングス<4848>が続伸。企業の人手不足が続く環境にあって、短期人材を求める動きが強まっている。同社はアルバイトの短期紹介を手掛け、このニーズを捉えている。採用についても「ウェブ登録の利便性向上が寄与して上期時点で14%増と順調に拡大、通期業績予想を増額しているがまだ会社側予想は保守的」(国内中堅証券情報部)との見方が出ている。
■ウェルビー <6556> 1,700円 +73 円 (+4.5%) 本日終値
ウェルビー<6556>が急騰。障害を持つ人などの就職を支援する就労移行支援事業を展開し業績は好調に推移している。13日取引終了後に発表した19年3月期の第1四半期(4~6月)単独決算は、売上高が13億7700万円(前年同期比40.5%増)と4割強の大幅増収を達成した。これを受け営業利益も3億6200万円(同42.2%増)、最終利益は2億2400万円(同36.5%増)と高水準の伸びをみせ、物色人気を再燃させている。
■日経レバ <1570> 19,860円 +820 円 (+4.3%) 本日終値
NEXT FUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が800円を超える上昇で前日の下げを埋めた。日経平均にリンクさせたETFで2倍の値動きを想定したハイボラティリティな設定となっており、個人投資家を中心に人気が高い。きょうはトルコリラ急落による影響が一服、前日の地合いから一変して日経平均が大きく買い戻される形で、短期資金の入れ替わりが目まぐるしい。もっとも、同銘柄の売買代金は全市場を通じてトップとなっているが、それでも前日と比べて30%程度少ない水準にあり、市場参加者の減少を物語っている。
■ファーストリテイリング <9983> 48,460円 +1,870 円 (+4.0%) 本日終値
ファーストリテイリング<9983>が大幅高に買われたほか、ソフトバンクグループ<9984>も4日ぶり反発。トルコリラの下落が一服したことで目先投資家のセンチメントが改善している。日経平均は前日までの急な調整の反動から目先リバウンド局面にあり、先物を絡めたインデックス買いが上昇に貢献している。そのなか、値がさ株で日経平均寄与度の高い両銘柄は、裁定買いに伴い株価に浮揚力が働いた。
■サイボウズ <4776> 592円 +21 円 (+3.7%) 本日終値
サイボウズ <4776> が高い。13日大引け後に発表した18年12月期上期(1-6月)の連結経常利益が前年同期比27.9%増の10.8億円に伸びて着地したことが買い材料視された。契約社数の増加を背景にグループウェア「cybozu.com」上で提供するクラウドサービスの売り上げが増加したことが寄与。前年同期に比べ人件費や業務委託費が増加したものの、増収効果で吸収し、大幅増益を達成した。通期計画の6.5億円(予想レンジ中値)をすでに66.9%も上回っており、業績上振れを期待する買いが向かった。
■千代田化工建設 <6366> 786円 +19 円 (+2.5%) 本日終値
千代田化工建設<6366>が反発。この日、大阪ガス<9532>が千葉県袖ケ浦市で計画している国内最大級のバイオマス発電所の建設にかかるEPC(設計・調達・建設・試運転)業務を受注したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。同プロジェクトは、旭化成<3407>の千葉工場内に建設するバイオマス専燃発電所と日本燐酸(千葉県袖ケ浦市)の事業所内に建設するバイオマス燃料の貯蔵サイロ設備一式のEPC業務で、発電所の出力は7.5万キロワット。運転開始は22年7月を予定しているという。
■SHIFT <3697> 4,420円 +85 円 (+2.0%) 本日終値
SHIFT<3697>が3日ぶりに反発。同社は13日、4月に業務提携したMF KESSAI(東京都千代田区)と共同で立ち上げたIT業界の資金繰りを改善するサービス「SHIFT KESSAI」の提供を開始したと発表。これが材料視されたようだ。「SHIFT KESSAI」は、ソフト開発事業者向けの債権買い取りサービス。MF KESSAIが実施する財務面の与信審査に加えて、SHIFTがこれまでのソフトウエアテストの品質保証事業を通して蓄積したデータを利用した開発面の与信審査を実施し、開発企業の債権買い取り及び入金早期化をサポートする。
■ワタミ <7522> 1,186円 -134 円 (-10.2%) 本日終値 東証1部 下落率7位
ワタミ<7522>は大幅安で3日続落。同社13日取引終了後、19年3月期の第1四半期(4~6月)連結決算を発表した。売上高は231億円(前年同期比2.2%減)、営業損益は2億2300万円の赤字(前年同期1億1200万円の赤字)、最終損益は3億800万円の赤字(同2億800万円の赤字)だった。第1四半期は、国内外食事業及び海外外食事業での収益性改善が進む一方で、宅食事業の減益や農業部門での赤字拡大などがマイナス影響となった。業績予想は従来見通しを据え置いた。通期業績は売上高943億円(前期比2.2%減)、営業利益7億円(同6.5%増)、最終利益2億円(同32.4%増)を見込んでいる。
■メルカリ <4385> 3,865円 -50 円 (-1.3%) 本日終値
メルカリ<4385>が3日続落。9日に発表された18年6月期の連結業績は、最終損益が70億4100万円の赤字(同42億700万円の赤字)となったことを嫌気する売りが継続。同社株は6月19日に公開価格3000円に対し5000円の初値をつけて取引を開始したが、足もとの株価下落により公開価格を意識する展開となっている。
株探ニュース