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【市況】金融市場は混乱、中小型株の決算を見直す動きに期待/オープニングコメント

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

 13日の日本株市場は、薄商いの中、不安定な相場展開になりそうだ。10日の米国市場は、トランプ大統領がトルコから輸入する鉄鋼及びアルミニウムへの関税額を2倍に引き上げたことにより、トルコ・リラが急落するなど金融市場の混乱を招き、株式相場も終日軟調推移となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比120円安の22180円となり、この流れを引き継ぐ格好から、売り優勢の相場展開になりそうだ。

 また、米半導体関連の弱い動きが続いていることも、上値の重石になりやすい。先週末の日本株市場は、米モルガンスタンレーによる半導体セクターへの慎重見通しが嫌気された米半導体株安の流れが波及したが、10日の米国市場においても、マイクロチップ・テクノロジーが業績予想の下振れから大幅下落となり、エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイシズなど半導体関連企業に売りが広がっている。さらに、インテルは、ゴールドマンサックスによる目標株価及び投資判断引き下げを受けて軟調推移となっており、引き続き半導体関連は手掛けづらくなりそうだ。

 その他、警戒されていた日米新貿易協議(FFR)の行方だが、自動車関税の引き上げや日本の農産品の市場開放を巡る議論は折り合わず、結論は9月の次回会合に持ち越した。小康状態とはなるが、アク抜けとはならないため、自動車株への押し目拾いの動きは期待できない状況である。

 一方で、決算発表がピークを通過した。お盆休みで参加者が限られるため商いは膨らみづらいところではあるが、決算通過で機関投資家もようやく動きが取れることから、イレギュラー的に下げた銘柄なども含め、決算を見直す動きも徐々に意識されてきそうだ。中小型株についてはメルカリ<4385>ショックによってセンチメントが冷え込んだ格好だが、追証多発による需給悪化は警戒されるもののマザーズ指数のボトム形成も意識されやすく、押し目拾いのスタンスになりそうである。参加者が限られるなか、主力処は手掛けづらく、中小型株の決算を見直す動きに期待したいところであろう。
《AK》

 提供:フィスコ

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