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【市況】国内株式市場見通し:日経平均は手掛かり難、指数イベントが刺激に

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

■日経平均4週ぶり反落、米中貿易摩擦が上値を抑制

先週の日経平均は下落した。週間ベースでは4週ぶりのマイナス転換となった。7月30日から開催の日銀金融政策決定会合にらみで始まった日経平均は週初に反落でスタート。フェイスブックの軟調決算の影響を引きずった米国FANG銘柄の下落が日本のハイテク株へも警戒感を台頭させた。ただ、米中貿易摩擦への懸念が和らぎ、NYダウが反発し、金融政策決定会合でも日銀が大規模な金融緩和を当面維持する方針が示されるとネガティブな印象が後退した。これを受けて日経平均は1日にかけて続伸を見せた。2日は米中貿易摩擦への警戒感の再燃とアジア株安を受けて、先物主導で日経平均は3日ぶりに反落した。3日は好決算のアップル効果からハイテク株が買い戻されて日経平均は反発したものの、上値が重い展開が継続することになった。TOPIXは続落。なお、日経平均は7月の月間ベースでは2カ月連続の陽線だった。一方、米国では、FOMCで政策金利が据え置かれた。また、トランプ政権が中国からの輸入品2000億ドル相当への関税率引き上げを検討していることが報じられる一方、堅調なADP雇用統計、アップルの好決算という材料が交錯する中、NYダウは軟調に推移した。なかでアップルは、株価200ドルの節目を上回る最高値を更新するとともに、時価総額1兆ドルの大台を米国株で始めて突破した。3日のNYダウは7月の雇用統計で失業率が前月比で低下したことなどを受けて3日ぶりに反発した。ただ、中国政府が米国からの輸入品600億ドル相当への追加関税案を発表し、上値は抑制された。

■エネルギー低下の中、日経平均はもみ合い

今週の日経平均は、引き続きもみ合いが予想される。7月23日以降の日経平均は日中の高値が22700円台で頭打ち、安値が22300円台でブレーキと上下レンジが狭まり、膠着感が強まっている。先週末発表の米7月の雇用統計は、雇用者数の伸びが前月から鈍化したものの、想定的に米国経済の堅調さを再確認させるもので中立要因だが、為替が円高傾向に傾いたことが懸念材料だ。日米の金融政策イベントを通過する中で、週後半にかけては、第3週(13日から)の「旧盆休みモード」を意識して市場エネルギーの後退も想定される。貿易摩擦問題は引き続き懸念事項だが、アップルの好決算を受けてFANG銘柄が切り返し、日本のハイテク株にも心理的なプラス材料となったことは日経平均の下支え要因だ。チャート的にも25日線、75日線、200日線の各移動平均線が強い下値ラインとして意識されている。

《FA》

 提供:フィスコ

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