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【市況】今週の【早わかり株式市況】4週ぶり反落、米中貿易戦争激化への警戒感が再燃

日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより

 今週の株式市場は、日銀金融政策決定会合が波乱なく通過したものの、米中貿易戦争激化への警戒感が再び強まり、日経平均株価は4週ぶりに反落した。

 週初の7月30日は前週末の米株安が重荷となり利益確定売りを誘発し、日経平均は反落した。ただ、日銀によるETF購入配分見直し観測を背景にメガバンク株は強含みの展開が続いた。

 翌31日は日銀の金融政策決定会合の結果を控えて売り優勢で始まり、その後は方向感に欠ける展開となった。後場に入り結果発表後には日経平均は乱高下する不安定な動きとなったものの、結局小幅ながら反発して着地。なお、日銀会合ではETF購入でTOPIX連動型の配分を増やすなど微修正にとどまった。8月1日は日銀会合が波乱なく通過したことに加え、前日の欧米株高や為替市場で急速に円安が進んだことを受け、リスクを取る動きが強まり大幅続伸した。2日は前日にトランプ米政権が2000億ドル相当の中国製品に対する関税について従来主張していた10%→25%に引き上げると伝わったことで米中貿易戦争への警戒感が再び強まり、一転してリスク回避の売りが膨らみ大幅に反落した。中国・ 上海株市場の急落や海外ヘッジファンドによる先物売りも下げ足を加速させた。

 週末の3日は米中貿易戦争への警戒から見送りムードが強い中、値がさ株の一角が買い戻され日経平均は小幅に反発した。ただ、全般は地合いが悪くTOPIXは寄り付き直後から終日マイナス圏で下値を探る展開が続いた。

 日経平均株価は、前週比187円(0.83%)安の2万2525円と4週ぶりに反落して取引を終えた。ここ2週間、概ね2万2400円-2万2750円と狭いレンジでのボックス相場となっており、下値は75日と200日の移動平均線が支える格好となっている。週間の値幅は423円と、前週の375円からわずかに拡大した。


 来週は米中貿易戦争への警戒感が強まる中、不安定な相場展開になりそうだ。米中の政権動向次第では下値を探る展開になる可能性がある。

 重要イベントとしては、国内では8日朝に発表される6月貿易収支や9日朝に発表される6月機械受注、10日朝に発表される4-6月期GDPが注目される。海外では8日発表の中国7月貿易収支や9日発表の中国7月生産者物価指数、10日発表の米国7月消費者物価指数に注視が必要だろう。


◆マーケット・トレンド(7月30日~8月3日)

【↓】   7月30日(月)―― 反落、米株安が重荷で利益確定の売り優勢
 日経平均 22544.84( -167.91)  売買高14億5078万株 売買代金 2兆2899億円

【↑】   7月31日(火)―― 小反発、日銀会合結果を絡め不安定な動きに終始
 日経平均 22553.72(  +8.88)  売買高19億7243万株 売買代金 3兆2635億円

【↑】   8月 1日(水)―― 大幅続伸、欧米株高と円安でリスク選好の買い優勢
 日経平均 22746.70( +192.98)  売買高17億6725万株 売買代金 2兆9652億円

【↓】   8月 2日(木)―― 大幅反落、米中貿易摩擦への警戒と上海株急落を嫌気
 日経平均 22512.53( -234.17)  売買高16億4242万株 売買代金 2兆7678億円

【↑】   8月 3日(金)―― 小反発、米中貿易摩擦警戒も値がさ株の一角が買われる
 日経平均 22525.18(  +12.65)  売買高13億9949万株 売買代金 2兆3264億円

◆セクター・トレンド(7月30日~8月3日)

(1)JAL <9201> 、ANAHD <9202> など空運業が業種別下落率トップ
(2)金融株はオリックス <8591> などその他金融が急落
  東京海上 <8766> など保険、野村 <8604> など証券も安いが、三井住友FG <8316> など銀行は下げ限定的
(3)三井不 <8801> など不動産、鹿島 <1812> など建設株が売られた
(4)味の素 <2802> など食品、セブン&アイ <3382> など小売りといった消費関連も安い
(5)中国関連のコマツ <6301> 、日立建機 <6305> など機械株が大幅安
(6)王子HD <3861> などパルプ・紙、JFE <5411> など鉄鋼といった素材株の一角は堅調


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