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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

イー・ギャラ <日足> 「株探」多機能チャートより

■GAテクノ <3491>  9,100円 (+1,500円、+19.7%) ストップ高

 今月25日に東証マザーズ市場に新規上場したGA technologies <3491> [東証M]がストップ高まで買われ、上場来高値を更新した。同社は31日、人工知能(AI)の画像解析技術を応用した図面入り不動産広告(マイソク)の自動読み取り機能に関する特許を出願したと発表。これが材料視されたようだ。特許を出願したマイソクの自動読み取りは、同社独自のAIの画像解析技術により、瞬時にマイソクをデータベースに構築する技術。マイソクは、フォーマットがなく各不動産業者が独自の自由なフォーマットで製作してきた業界的背景や、FAXなどの繰り返しによる劣化が原因で、従来のOCRでは読み取りが困難とされてきた経緯がある。

■ぐるなび <2440>  1,008円 (+150円、+17.5%) ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。ぐるなび <2440> がストップ高。30日の取引終了後、楽天 <4755> と資本・業務提携契約を締結すると発表したことが好感された。滝久雄会長が保有する株式の一部である467万7600株を8月22日付で約40億円で譲渡するとしており、これにより楽天はぐるなび発行済み株数の9.60%を保有する第2位株主になる予定だ。今回の提携は、飲食店の予約サービスにおける提携をより強化するのが狙い。両社は今年5月、楽天が運営するグルメ情報サイト「Rakoo(ラク―)」の新規加盟店開拓において提携することで合意しているが、資本・業務提携を機にぐるなび会員と楽天会員のIDやポイントプログラム(ぐるなびポイント、楽天スーパーポイント)の連携を進めるとしている。同時にぐるなびは、第2四半期累計(4-9月)連結業績予想について、売上高を157億円から160億円(前年同期比8.9%減)へ、営業利益を4億円から7億円(同75.2%減)へ、純利益を2億8000万円から4億9000万円(同74.6%減)へ上方修正しており、これも好材料視されたようだ。第1四半期において、ネット予約手数料売り上げが計画を上回ったことや、プロモーション事業の売り上げが前倒しで発生したことが要因という。

■イー・ギャラ <8771>  2,434円 (+349円、+16.7%)

 東証1部の上昇率2位。イー・ギャランティ <8771> が急騰。30日の取引終了後、決算発表を行うとともに株式分割を発表したことが好感された。8月15日時点の株主に対して1対2株の株式分割を実施する。効力発生日は8月16日。投資単位当たりの金額を引き下げることで流動性を高めるとともに、投資家層の拡大を図ることを目的としている。また、同日に発表した19年3月期の第1四半期(4-6月)連結決算は、売上高が13億4000万円(前年同期比8.9%増)、営業利益が5億6400万円(同12.5%増)、最終利益が3億4100万円(同10.2%増)だった。

■黒崎播磨 <5352>  8,390円 (+1,010円、+13.7%)

 東証1部の上昇率5位。黒崎播磨 <5352> が続急伸、上場来高値を更新した。30日の取引終了後、19年3月期の連結業績予想について、売上高を1340億円から1390億円(前期比12.1%増)へ、経常利益を95億円から110億円(同22.3%増)へ上方修正したことが好感された。耐火物原料市況の上昇傾向が続いているものの、国内での堅調な需要や海外での拡販が見込まれるという。加えて、海外子会社の利益増加や工事案件の利益率改善によるファーネス事業のセグメント利益の向上も期待できるとしている。また、業績予想の修正に伴い、従来未定としていた配当予想について、中間配当を100円にすると発表しており、前年同期実績5円(ただし17年10月1日付で10株を1株に併合)に対しては実質増配になる予定であることも好材料視されている。期末配当予想は引き続き未定としている。なお、同時に発表した第1四半期(4-6月)決算は、売上高354億4500万円(前年同期比20.0%増)、経常利益30億9200万円(同37.3%増)だった。

■冶金工 <5480>  375円 (+41円、+12.3%)

 東証1部の上昇率6位。日本冶金工業 <5480> が続急騰。30日大引け後、19年3月期の連結経常利益を従来予想の68億円→79億円に16.2%上方修正。増益率が2.0倍→2.3倍に拡大する見通しとなったことが買い材料視された。戦略分野である高機能材の需要が増加するうえ、ニッケルなど原材料や副資材の価格上昇を背景に販売価格の適正化を進めることも収益を押し上げる。前日終値ベースの予想PERが9.4倍→8.2倍に低下し、割安感がさらに強まったことも支援材料となった。なお、同時に発表した19年3月期第1四半期(4-6月)の同利益は前年同期比2.2倍の26.7億円だった。

■IRジャパン <6035>  3,900円 (+375円、+10.6%)

 アイ・アールジャパンホールディングス <6035> [東証2]が急反騰。31日に発表した「IRジャパン、株式分割を発表」が買い材料視された。

■コムチュア <3844>  3,615円 (+345円、+10.6%)

 東証1部の上昇率7位。コムチュア <3844> が続急騰。30日大引け後に発表した19年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比80.5%増の5億円に拡大して着地したことが買い材料視された。主力のクラウド事業の好調に加え、ビッグデータ・AIビジネス、RPA関連、基幹システムの導入・更新案件の受注が増加したことが寄与。高付加価値化戦略による生産性の向上に加え、子会社売却による販管費の減少なども大幅増益の要因となった。

■エスエムエス <2175>  2,270円 (+215円、+10.5%)

 東証1部の上昇率8位。30日に決算を発表。エス・エム・エス <2175> が7月30日大引け後に決算を発表。19年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益は前年同期比3.7%増の20.9億円に伸び、4-9月期(上期)計画の26億円に対する進捗率は80.1%となり、5年平均の82.4%とほぼ同水準だったことが好感された。

■王将フード <9936>  6,630円 (+620円、+10.3%)

 東証1部の上昇率9位。王将フードサービス <9936> が急反騰し、上場来高値を更新した。同社は30日取引終了後に、19年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表。営業利益は14億9200万円(前年同期比77.7%増)となり、上半期計画25億7200万円に対する進捗率は58.0%に達した。売上高は196億3500万円(同7.6%増)で着地。キャンペーンの実施やメニュー内容の強化などで客数が増えたほか、利益面では生産性向上による人件費率の減少、水光熱費の削減などが寄与した。なお、上半期および通期の業績予想は従来計画を据え置いている。

■日電硝 <5214>  3,605円 (+300円、+9.1%)

 日本電気硝子 <5214> が続急伸。30日、同社が発行済み株式数(自社株を除く)の3.32%にあたる330万株(金額で100億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は7月31日から12月28日まで。同時に決算を発表。18年12月期上期(1-6月)の連結経常利益は前年同期比27.5%減の115億円で着地したが、こちらへの反応は限定的となった。

■SOU <9270>  5,680円 (+390円、+7.4%)

 SOU <9270> [東証M]が急反発。ブランド品や美術品の買い取り販売を手掛ける「なんぼや」を業者向け中心に展開しており、足もとの収益は拡大基調が鮮明。国内リユース市場は昨年時点で2兆1000億円規模に達しており、今後も市場は加速的に拡大していく可能性がある。そのなか同社はブランド中古品取り扱いでコメ兵 <2780> [東証2]に次ぐ業界2位に位置、海外でのオークション事業にも期待がかかっている。18年8月期営業利益は前期比64%増の16億9300万円を予想しており、業績変化率が際立つ。

■キッツ <6498>  992円 (+63円、+6.8%)

 キッツ <6498> が6日続急伸。30日大引け後に発表した19年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比34.9%増の25.3億円に拡大して着地したことが買い材料視された。主力のバルブが半導体製造設備向けに好調が継続したうえ、国内で値上げを実施したことも収益を押し上げた。併せて、発行済み株式数の2.05%にあたる200万株(金額で20億円)を上限に自社株買いを実施すると発表。株主還元の拡充を好感する買いも向かった。

■カプコン <9697>  2,894円 (+180円、+6.6%)

 カプコン <9697> が急反発。30日大引け後に発表した19年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比7.1倍の54.9億円に急拡大して着地したことが買い材料視された。デジタルコンテンツ事業で前期に投入した「モンスターハンター:ワールド」がユーザー層の拡大を背景に人気が持続したほか、新作「ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション」などが好調だった。利益率の高いリピートタイトルの販売が伸長したことも増益に大きく貢献した。通期計画の165億円に対する進捗率は33.3%に達しており、業績上振れも期待できる状況にある。

■ファンケル <4921>  5,850円 (+300円、+5.4%)

 ファンケル <4921> が急反発。30日大引け後に発表した19年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比3.6倍の45.4億円に急拡大して着地したことが買い材料視された。旺盛なインバウンド需要を追い風に、主力のファンケル化粧品やサプリメントを中心とする栄養補助食品の販売が大きく伸びたことが寄与。第1四半期業績の好調に伴い、通期の同利益を従来予想の96億円→123億円に28.1%上方修正。増益率が11.0%増→42.2%増に拡大し、16期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。

※31日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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