【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ “堅調続伸”の予感! 懸念後退と円安で整う株高条件
株式アドバイザー 北浜流一郎
「“堅調続伸”の予感! 懸念後退と円安で整う株高条件」
●巡航速度での米経済成長が株価押し上げへ
米朝首脳会談、FOMC。ここ数週間、内外投資家の不安要因であった2大イベントが終了した。幸い、ともに市場への影響はさほどなかった。事前にあれこれと観測が流れ、懸念もされていたことで、いわゆる「懸念材料出尽くし」状態になったと見てよい。
ここからは新たな懸念材料の出現を待つ格好になるが、当面それが姿を表す確率は極めて低くなっている。
月初に発表された米国の雇用統計で非農業部門の雇用が22.3万人増と伸びが加速し、失業率は3.8%と18年ぶりの低水準だったことで明確になったように、米国経済は巡航速度での成長拡大を続けているからだ。
FRBは開催されたばかりのFOMCで今年2回目となる利上げ(0.25%)を実施した。一般的には利上げは株式市場のネガティブ要因になるが、負担の重さが問題。現状ではほとんど苦にならないため、経済の成長は続くと見てよく、株式市場も続伸の確率が高くなる。
もちろん、将来さらに金利が上昇した場合、重荷になることはあり得る。しかし、それは少なくとも今年ではない。早くても1年以上先になるだろう。
しかも好ましいのは、米国の利上げはドル高・円安要因となること。最近の東京市場は為替との連動性がやや薄らいでいるものの、基調は引き続き「円安=日経平均株価上昇」。このため、東京市場は続伸確率が高くなる。
ただ、残念なことに、売買は相変わらず低調だ。東証1部の出来高は11億~15億株程度にとどまっている。
これは閑散と呼ばざるを得ないものの、一方で好ましい材料がある。日経平均の75日移動平均線だけでなく、25日線がともに上昇トレンドとなっているうえに、株価が25日線の上で推移していることだ。
これは手を打って喜ぶようなことではないものの、市場の堅調続伸を予感させることから、投資をしやすく、儲かりやすくもなっているのはありがたい。
●流れに乗るストック型ビジネス株を選考
さて、物色対象だが、ストック型ビジネスを展開中の銘柄を中心に選びたい。いまは多くの企業がフローよりストック重視に傾きつつある。
それをすでに実行している企業の収益は安定的に増加を続けているため、株価も高値圏にあるが、安定収益増を背景にさらなる高値が見込める。
具体的には度々取り上げているエムスリー <2413> がある。医薬品情報サイトの運営に加え、治験支援ビジネスへも進出、成長が続いている。
自動車関連情報のポータルサイトを運営しているマークラインズ <3901> も、自動車メーカーやその周辺企業の利用拡大が続いていることで、収益の伸び余地ありだ。
価格比較サイトの運営だけでなく、飲食店情報サイト「食べログ」を手掛けるカカクコム <2371> 。掲載店舗だけでなく、利用者からも情報利用料が入るため、収益堅調が続き、投資魅力に衰えはない。
寮や社宅の管理もストックビジネスであり、すでに株価はかなり高くなっているが、共立メンテナンス <9616> がある。株価の上昇力は弱いが、リログループ <8876> 、日本社宅サービス <8945> [東証2]も中長期投資なら魅力的だ。
ECサイト運営業者向けに決済処理サービスを提供しているGMOペイメントゲートウェイ <3769> の事業もストック型で、株価は値動きが激しいが、目先の小反落は見逃さないようにしたい。
そして、最後にメディカルネット <3645> [東証M]を。インプラントなど高額歯科治療を展開する歯科医向け情報提供サイトを運営している点に着目だ。
2018年6月15日 記
株探ニュース