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【市況】【植木靖男の相場展望】 ─ 週明け続伸に期待

株式評論家 植木靖男

「週明け続伸に期待」

●行く手を阻む2万3000円の壁

 “近くて遠くは……”という表現があるが、いまの市場はまさしく“近くて遠きは2万3000円”である。

 6月に入って反撃を開始した日経平均株価は、6月12日にはザラバで2万3000円大台に乗せたが、引けでは届かず、その後何度か挑戦するが、その都度跳ね返されている。

 なぜか。米朝首脳会談があったり、米FOMCでの利上げ、ECB理事会とビッグ・イベントが並び、なにかと様子見気分が強まったからとされている。確かに売買高をみても、ここ徐々に縮小、6月第3週には週末を除くと1日あたり1兆1000~1兆2000億株だ。これでは2万3000円台は難しい。

 そもそも、5月21日の高値2万3002円(終値ベース)からの調整が5月30日にはザラバで2万2000円大台を割り込んでしまった。この勢いからすれば、いったん下げ止まっても、第二段下げあり、とみるのが自然。だが、第二段下げをみることなく、直ちに反騰、これまた僅か9日で高値に戻ってしまった。

 あまりに見事というか、それだけにスピード違反の感さえする。

 だとすると、今後は息切れを始めるため日柄整理が必要なのかもしれない。

●2万3000円乗せまで「中小型株一本釣り」は不変

 それを確認することになるが、ここへきての値動きを精査すると、先週末がその分岐点となっている。

 週末の6月15日、この日もし下げれば今週は短期の調整にならざるを得ない。実際は朝高く始まったものの、そのあと直ちに急落、ひょっとして前日比マイナス?かと。だが、なんとかプラス圏で踏みとどまった。とはいえ、0.5%高と僅か。よくあるケースである。

 このことからすると、関心は週明けに移る。18日に続伸なら再度2万3000円大台挑戦の可能性が早まるとみるのが、これまでの経験則。逆に14日の引け値2万2738円を下回るようであれば、短期下値試しは必至と思われる。注目したい。

 さて、物色対象はどうか。

 米国ではアマゾンなどITサービス分野、つまりナスダック指数が好調だ。逆に衰退する製造業、つまりNYダウ平均は元気がない。きわめて合理的である。

 一方、わが国は米国に太刀打ちできるITサービス分野はなく、モノづくりに偏っている。加えて、米国に貿易戦争を仕掛けられ、右往左往している。製造業のウエイトの高い日経平均も2万3000円大台を前に沈黙している。

 とはいえ、週末には主力優良株が久しぶりに気を吐いた。年金など機関投資家の押し目買いとみられる。注視したい。

 だが、現実には、中小型株の一本釣りは当面、2万3000円台に乗せるまで不変だろう。

 利益余剰金1兆4000億円、時価総額1兆5000億円という超割安のりそなホールディングス <8308> や、全固体電池関連のニッカトー <5367> 、仮想通貨関連のSBIホールディングス <8473> などに注目したい。

2018年6月15日 記

株探ニュース

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