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【特集】【中国の視点】ベネズエラやイランへの制裁、米シェール産業の復活が目的か


原油価格はきのう30日、1バレル当たり70米ドルに接近した。また、米国によるベネズエラやイランへの制裁を解除しなければ、1バレル当たり100米ドルまで上昇する可能性があるとの見方も出ている。

中国の専門家は、一連の経済制裁について、米政府が同国のシェールオイル産業を復活させるための手段だとの見方を示した。米国がイランに対する経済制裁を強化する前、世界最大の石油埋蔵国であるベネズエラの経済を破綻させていたと批判。米国の経済制裁を受け、ベネズエラの1日当たりの原油輸出量は2016年の約240万バレルから現在の約150万バレルまで縮小。これに伴い、ベネズエラの原油生産量が30年ぶりの低水準まで縮小している。

専門家は、ベネズエラの経済が破綻した後、米国の資源会社はベネズエラが保有するカリブ海の石油精製施設や輸送施設を相次いで封鎖や買収していたと強調。ベネズエラの輸出減が原油価格を押し上げるため、これが米シェールオイル産業の復活につながると強調した。

前回のイラン制裁では、イランの原油輸出は1日あたり100万バレル減少していたため、ベネズエラの原油輸出も昨年から1日当たり100万バレル減少している。こうした状況を受け、今後の原油価格は1バレル当たり100米ドルまで上昇する可能性も出ているとみられている。

専門家は、米政府がイランに対して核プログラムの放棄やシリア内戦からの撤退を含む米国の要求を受け入れなければ、同国に対して史上最強の制裁を導入すると警告していたと指摘。米国が警告通り史上最強の制裁を実施した場合、仮にロシアやサウジアラビアが原油を増産しても、世界的な原油不足は解消されないため、原油価格1バレル当たり100米ドルへの回復が時間の問題だと指摘した。

なお、米国のシェールオイルの生産コストは1バレル当たり40-80米ドルになると試算されている。
《AN》

 提供:フィスコ

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