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【通貨】ユーロ週間見通し:伸び悩みか、リスク回避の円買い継続の可能性

ユーロ円 <日足> 「株探」多機能チャートより

■軟調推移、イタリアやスペインの政治不安が嫌気される

先週のユーロ・ドルは軟調推移。イタリア、スペインの政治不安などを懸念したユーロ売りが活発となった。23日発表されたドイツとユーロ圏の5月製造業・サービス業PMI速報値は市場予想を下回ったこともユーロ売り材料となったようだ。取引レンジ:1.1646ドル-1.1830ドル。

■もみ合いか、米通商政策を警戒したユーロ買いが入る可能性も

今週のユーロ・ドルはもみあいか。欧州中央銀行(ECB)はインフレの上昇が不十分との見方で一致。31日発表のユーロ圏5月消費者物価指数などの経済指標が堅調でもユーロ買いが拡大するとの見方は少ない。ただし、米トランプ政権が自動車輸入制限を検討しており、保護主義的な通商政策を警戒したユーロ買い・米ドル売りが増える可能性があるため、ユーロ売り・米ドル買いがさらに拡大することは難しいとみられる。

予想レンジ:1.1500ドル-1.1800ドル

■大幅続落、イタリアやスペインで政治不安強まる

先週のユーロ・円は大幅続落。イタリアで欧州連合(EU)の政策などに批判的な連立政権が発足し、反EU的な政策が導入されるとの思惑でユーロ売りが優勢となった。スペインの政治不安も嫌気された。トランプ米大統領は米朝首脳会談実現の可能性について言及したが、リスク選好的なユーロ買い・円売りは拡大せず、週後半は128円を挟んだ水準で推移した。取引レンジ:127円15銭-131円35銭。

■伸び悩みか、リスク回避の円買い継続の可能性

今週のユーロ・円は伸び悩みか。欧州中央銀行(ECB)による金融緩和策の早期縮小への思惑は後退しており、ユーロ圏5月消費者物価指数などの経済指標が予想を上回ってもユーロは買いづらい展開となりそうだ。イタリア、スペインの政治不安も引き続き嫌気されそうだ。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・5月31日:4月失業率(予想:8.4%、3月:8.5%)
・5月31日:5月消費者物価指数(前年比予想:+1.6%、4月:+1.2%)

予想レンジ:126円00銭-129円00銭

《FA》

 提供:フィスコ

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