【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):ヴィンクス、大有機、シグマクシス
ヴィンクス <日足> 「株探」多機能チャートより
ヴィンクス<3784>がストップ高に買われたほか、カーディナル<7855>、オプトエレクトロニクス<6664>などセルフレジ関連とその周辺であるRFIDタグ(ICタグ)関連株に投機資金の攻勢が顕著だ。全般相場は米中貿易摩擦への懸念から輸出ハイテク株が弱い動きとなっているが、相対的に内需系で時価総額の小さいテーマ株には個人投資家を中心とした買いが継続している。そのなか、国内ドラッグストアがセルフレジ導入に積極姿勢をみせるなど、流通・小売業界を中心に業務効率化を図る有力な手段としてセルフレジ(無人レジ)が注目され、相場テーマとして脚光を浴びており、関連銘柄への物色意欲は引き続き旺盛となっている。
■大阪有機化学工業 <4187> 1,595円 +179 円 (+12.6%) 本日終値 東証1部 上昇率2位
6日、大阪有機化学工業 <4187> が決算を発表。18年11月期第1四半期(17年12月-18年2月)の連結経常利益が前年同期比18.9%増の9.7億円に伸びて着地したことが買い材料視された。電子材料や機能化学品で利益率の高い製品の販売が増加したことが寄与。化成品事業における原材料価格の上昇や設備修繕費の影響を吸収し、大幅増益を達成した。上期計画の18億円に対する進捗率は53.9%に達し、5年平均の46.5%も上回った。
■シグマクシス <6088> 2,369円 +170 円 (+7.7%) 本日終値 東証1部 上昇率7位
シグマクシス<6088>が3連騰で2014年1月以来4年3カ月ぶりの高値圏を快走している。三菱商事<8058>系のコンサルティング会社で人工知能(AI)の活用で先駆しており、国内外機関投資家からの注目度も高い。AIでビジネス競争力を実現するサービス、“AIDプログラム”を提案し高評価を得ている。これはAI適用領域や、実行すべき施策、想定効果を明確化し、AI導入のための実現可能な計画を策定して実行までを支援するもの。ソフトバンクグループ<9984>や米グーグルなどとパートナー関係にあり、今後の業容拡大にも期待が大きい。
■サカタのタネ <1377> 4,045円 +200 円 (+5.2%) 本日終値
サカタのタネ<1377>が急反発。同社は6日取引終了後に、18年5月期第3四半期累計(18年6月~19年2月)の連結決算を発表。営業利益は67億6500万円(前年同期比11.5%減)にとどまったが、通期計画74億円に対する進捗率が91.4%に達していることが買い手掛かりとなったようだ。売上高は452億8400万円(同2.2%増)で着地。海外での種子販売が好調に推移したことが増収につながった半面、海外子会社での人件費上昇や対ユーロでの円安に伴い円ベースで一般管理費が増加したことが利益の圧迫要因となった。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。
■夢真ホールディングス <2362> 1,239円 +58 円 (+4.9%) 本日終値
夢真ホールディングス<2362>が大幅反発。7日付の日本経済新聞で「2019年9月期の年間配当は45円程度と、今期予想に比べて10円程度積み増すようだ」と報じられており、これを好材料視した買いが入った。記事によると、新卒採用の拡大など先行投資が一巡したことに加えて、財務余力も高まっていることから、より多くの利益を株主に振り向けるとしており、20年9月期以降も増配を続ける見通しとしている。
■イー・ガーディアン <6050> 4,675円 +215 円 (+4.8%) 本日終値
イー・ガーディアン<6050>は続急伸、上場来高値街道をまい進している。時流を映してSNSの投稿監視サービスが好調なほか、ゲームサポート事業がスマートフォンゲーム市場の加速的な拡大を背景に収益を押し上げ、18年9月期は前期比14%増の9億2300万円を会社側では見込むが、市場では大幅に上振れする可能性も意識されている。今後はインスタグラムを活用したマーケティングサービスにも期待がかかる。人工知能(AI)分野も深耕、人間の知見とAIを活用した効率性を重視しており、画像内物体検知システム「Kiducoo AI」の提供などが耳目を集めている。
■雪印メグミルク <2270> 3,250円 +120 円 (+3.8%) 本日終値
雪印メグミルク<2270>は5日続伸。大和証券が6日付けで投資判断を「3」から「2」へ、目標株価を3000円から3600円へと引き上げたことが好感された。同社が5月1日から、ほぼすべての家庭用チーズを対象に価格改定・容量変更を発表したことをポジティブサプライズとして、同証券では19年3月期の営業利益予想を205億円から225億円に、20年3月期は225億円から245億円にそれぞれ引き上げた。今後のポイントとして、「ガセリ菌SP株」の販売動向を挙げた。3月末の京都工場稼働によりプラスチックボトルの生産能力は160億円程度(同証券推定)へ倍増しており、 新しいフレーバーの導入に加え、販促強化により店頭での露出は増加している。今後、「ガセリ菌SP株」の売り上げ拡大に対する確度が高まった場合は、さらなる株価上昇も期待できるとしている。
■壱番屋 <7630> 4,630円 +140 円 (+3.1%) 本日終値
壱番屋<7630>が反発。6日取引終了後に発表した19年2月期の業績予想が、売上高512億円(前期比3.5%増)、営業利益47億5000万円(同0.8%増)、純利益31億9000万円(同横ばい)と営業増益を見込み、年間配当は前期比2円増配の78円を予定していることが好感された。今期は、国内ではより効果的な販促手法などの活用により、既存店売り上げの増加を目指す。海外事業については、既に展開している国々においてブランド力強化を図っていく。また、イギリス、ベトナムなどの新規国への出店準備を進めていく方針。18年2月期業績は売上高494億7200万円、営業利益47億1200万円、純利益31億8900万円だった。また、期末配当を従来予想の36円から40円へ増額し年76円にする。なお、同社は17年2月期に決算日を5月末日から2月末日に変更しているため、前の期との比較はない。
■鳥貴族 <3193> 3,050円 +79 円 (+2.7%) 本日終値
鳥貴族<3193>は3日続落。前週末6日の取引終了後に発表した3月度の月次報告で、既存店売上高が前年同月比2.8%減となり、3カ月連続で前年実績を下回ったことが嫌気された。客単価は同2.1%増と上昇したものの、客数の4.7%減をカバーするには至らなかった。なお、全店売上高は今月に入って6店舗を新規出店したことなどが寄与し、同18.7%増だった。
■弁護士ドットコム <6027> 1,983円 +35 円 (+1.8%) 本日終値
弁護士ドットコム<6027>が続伸。6日の取引終了後、慶応義塾大学SFC研究所リーガルデザイン・ラボおよびTHE GUILD(東京都港区)と、契約の未来を検討する共同研究を開始すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回の共同研究は、契約の「リ・デザイン」を目指したもので、内閣官房が推進する「デジタル・ガバメント実行計画」に基づくデジタルファースト社会の到来を見据えて契約のUI(ユーザインタフェース)・UX(ユーザエクスペリエンス)をリ・デザインし、紙の契約書から電子契約へのスムーズな移行を提案するところから開始。将来的には、契約の合意を簡単にするための新しい契約スタイルの提案や、ブロックチェーン技術などを用いたスマートコントラクトの社会実装についても、共同研究の対象にするとしている。
株探ニュース