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【市況】米国株式市場見通し:多くの主要経済指標が発表予定


米中貿易戦争が警戒される中で、両国が貿易摩擦の解決に向けた交渉を続けているほか、中朝首脳会談の実現で地政学リスクも低下しており、政治面からの懸念は和らいでいる。3月半ば以降ハイテクの大型株、いわゆるFANG銘柄の株価調整が続いてきたが、これまでの急速な上昇後のむしろ健全かつ必要な調整過程との見方が支配的だ。季節的に需給が良好であることや、決算シーズンを控えていることを考えると、更に大きな調整が必要になるとは考え難い。

今週は、月初ということで多数の経済指標が発表されるほか、来週から始まる1-3月期決算発表を控えて、主要企業の足元の業績や見通しに注目が集まり、株価収益率(PER)などで割安感のある銘柄の株価水準が見直されるだろう。

経済指標では、3月ISM製造業景況指数(2日)、2月建設支出(2日)、2月製造業受注指数(4日)、3月ADP雇用統計(4日)、3月ISM非製造業景況指数(4日)、2月貿易収支(5日)、3月雇用統計(6日)などの発表が予定されている。先週、消費者信頼感指数が約17年ぶりの高水準となった2月分から低下したものの、全般的には良好な状態が続いている。雇用関連指標が予想を上回る堅調な内容となれば、年内の追加利上げ見通しにも影響を与えそうだ。

個別企業では、種子メーカーのモンサント(4日)、住宅建設会社のレナー(4日)、自動車販売のカーマックス(4日)などが予定されている。15日に独のバイエルによるモンサント買収計画に米当局が難色を示していることが報じられ、大幅下落となった。21日に欧州委員会が同計画を承認したものの、株価は軟調に推移しており、交渉の行方に注目が集まりそうだ。

ファクトセット社の調査によれば、1-3月期のS&P500構成銘柄の利益は、昨年末時点で前年同期比11.4%の増加が予想されていたものの、29日時点では同比17.3%の増益予想と、11年1-3月期以来の高い利益成長(前年同期比)となる見通しで、4月は米国の確定申告に関連して需給要因も良好なことから株価上昇が続きそうだ。減税による恩恵に加えて、原油相場の上昇によるエネルギーセクター、金利上昇による金融セクターへの好影響が予想される。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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