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【材料】ラクオリア創薬---17/12期は増収増益、18~20年の中期経営計画を発表、黒字転換へ

ラクオリア <日足> 「株探」多機能チャートより

ラクオリア創薬<4579>は9日、2017年12月期(2017年1~12月)連結決算を発表。売上高が14.19億円、営業損失が1.50億円、経常損失が0.80億円、親会社株主に帰属する四半期純損失が0.58億円となった。

事業収益に関しては、マルホ株式会社との間で選択的ナトリウムチャネル遮断薬に関するライセンス契約を、CJヘルスケア株式会社(CJ社(韓国))との間で胃食道逆流症治療薬tegoprazanの権利地域を中南米、東欧及び中東地域(ROW: Rest Of World)への拡大契約を締結した。既契約では、Aratana Therapeutics Inc.(アラタナ社(米国))に導出したイヌの変形性関節症に伴う痛みの治療薬GalliprantRは、同社の戦略提携先であるElanco Animal Healthの強力な販売網を活かして2017年1月から、同じくアラタナ社(米国)に導出した犬の食欲促進薬EntyceRは10月から、それぞれ米国で販売を開始し、順調に売上を伸ばしている。また共同研究は、旭化成ファーマ株式会社、インタープロテイン株式会社及びXuanZhu Pharma Co., Ltd.(中国)との間の共同研究がそれぞれ順調に進展している。

2018年12月期通期連結業績予想は、売上高が前年同期比2.2%減の13.88億円、営業損失が6.98億円、経常損失は6.80億円、親会社株主に帰属する当期純損失は6.86億円を見込んでいる。
事業費用の増に関しては、2017年12月期に終了を予定していた下痢型過敏性腸症候群(IBS-D)を適応症とする5-HT2B拮抗薬のフェーズ1は、2017年12月の業績予想修正でも発表の通り試験遅延のため2018年第1四半期に終了を見込んだことによるもの。その他の事業費用については、2018年1月に公表したZTE Coming Biotech Co., Ltd.(中国)との合弁契約も含めて、これまでと同等程度で収まるものとしている。

また、同日に中期経営計画(2018年12月期-2020年12月期)を発表した。業績目標は、2019年12月期の事業収益は19.61億円、営業利益は1.82億円、経常利益は2.06億円、当期純利益は1.34億円。
2020年12月期の目標は、事業収益は18.50億円、営業利益は1.34億円、経常利益は1.58億円、当期純利益は1.01億円。

黒字転換は従来の計画通り2019年としており、2020年は導出品の販売初年~2年目になるため事業収益は、一旦伸び止まるが継続して黒字を見込んでいる。2021年以降は公表していないがロイヤルティが大きく伸びると見込んでいる。これらに加えて、現在のパイプラインからのライセンス契約締結による契約一時金、マイルストン収入によって公表値を上回る成長を目指すとしている。

具体的には、マイルストン収入として2018年から2019年にかけてtegoprazanの韓国・中国・東南アジア・ROW、GalliprantR及び EntyceRの欧州、 旭化成ファーマとの共同研究、2019年から2020年にかけてはMeiji Seikaファルマ株式会社に導出したジプラシドンについて、それぞれ進展に応じて見込んでいる。
ロイヤルティ収入は、2018年からは GalliprantRの欧米、EntyceRの米国、2020年からはジプラシドンの日本での販売を見込んでいる。
契約一時金 は、ZTEとの合弁先から5-HT4部分作動薬と5-HT2B拮抗薬を、tegoprazanは韓国の臨床試験データを活用した臨床試験を視野に日米欧での導出活動からの獲得を目指すほか、グレリン受容体作動薬、モチリン受容体作動薬、選択的ナトリウムチャネル遮断薬及び現在、名古屋大学等との共同研究を含めたパイプラインから契約締結を目指す。

財務戦略は、2017年10月に価格修正条項付き第14回新株予約権を用いて約10億円の調達が完了しており、計画が予定通り進むことで、十分な資金が確保できたとしている。

《MW》

 提供:フィスコ

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