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【市況】米国株式市場見通し:ボラティリティー上昇に注意


先週はFOMC声明や雇用統計を受けた長期金利の上昇懸念が世界的な株式市場の混乱を招き、短期間で急激な株安に繋がった。混乱は収束しておらず、引き続き変動率の低下に賭けるポジション解消の影響で、少なくとも今週金曜日のオプション・先物の決済日までは値動きの大きな展開が続くだろう。しかし、複数の連銀高官は景気見通しに影響を与えるものではないとの認識を示しているほか、足元の主要企業決算も概ね好調であり、昨年後半の株価上昇を考慮しても株価調整と考えるのが妥当だろう。

トランプ大統領は連邦政府支出を約3000億ドル増額した2年間の予算合意に署名した。暫くは政府機関閉鎖による先行き不透明感が払拭されるものの、減税も加わることで税制赤字拡大は必至となり、オバマ政権での財政赤字削減政策からの大幅な転換となる。12日には1.5兆ドルに及ぶインフラ投資計画が発表予定だが、このような政策により、長期金利の上昇リスクが一段と意識されることになるだろう。

主要企業決算ではアクセサリーのフォッシル(13日)、飲料メーカーのペプシコ(13日)やコカ・コーラ(16日)、ホテル運営のヒルトンやマリオット(14日)、半導体製造装置のアプライド・マテリアルズ(14日)、ネットワーク機器メーカーのシスコ・システムズ(14日)、旅行口コミサイトのトリップアドバイザー(14日)、農業機械のディア(16日)などの決算発表が予定されている。コカ・コーラは利益率の低いボトリング事業の再編を進めており、事業再編によるコスト削減が業績にプラスとなるだろう。1月半ばから「ダイエット・コーク」ブランドの刷新を進めており、強気な業績見通しを発表するか注目したい。

経済指標では1月消費者物価指数(14日)、1月小売売上高(14日)、2月NY連銀製造業景気指数(15日)、1月生産者物価指数(PPI)(15日)、2月NAHB住宅市場指数(15日)、1月輸入物価指数(16日)、1月住宅着工・建設許可件数(16日)などの発表が予定されている。小売売上高では12月に成立した税制改革法が個人消費に寄与したかを見極めたい。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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