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【特集】シャノン Research Memo(5):手元キャッシュの積み上げが課題

シャノン <日足> 「株探」多機能チャートより

■業績動向

2. 財務状況と経営指標
シャノン<3976>の2017年10月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比17百万円減少の1,025百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現預金が97百万円増加したほか、受取手形及び売掛金が20百万円増加した。また、固定資産では「シャノンマーケティングプラットフォーム」にかかるソフトウェアやソフトウェア仮勘定等の減損損失を計上したことにより、無形固定資産が144百万円減少したほか、有形固定資産が19百万円減少した。

負債合計は前期末比69百万円増加の668百万円となった。有利子負債が20百万円増加したことが主な増加要因となっている。また、純資産は前期末比86百万円減少の357百万円となった。株式上場に伴い資本金及び資本剰余金がそれぞれ119百万円増加したが、親会社株主に帰属する当期純損失326百万円を計上したことが減少要因となった。

経営指標を見ると、経営の安全性を示す流動比率は前期末の115.4%から139.5%とやや改善したものの、自己資本比率は42.5%から34.8%に低下し、また、有利子負債比率も88.2%から115.3%に上昇するなど財務体質はやや悪化した。期末の現預金は234百万円と前期末から増加したものの、年間の事業費用が16億円を上回っており、安定的な事業運営を行っていくためには手元キャッシュの積み上げが今後の課題と言える。

収益性指標について見れば、前述したように2017年10月期は人材投資等の先行投資負担により業績が一時的に悪化したため、ROA、ROE、売上高営業利益率のすべての指標において2016年10月期から低下した。ただ、足元の収益動向は上向きに転じ始めており、2018年10月期以降は収益性も向上していくものと予想される。同社では中期的に売上高営業利益率で10%水準を目標として掲げている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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