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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):FDK、ラクオリア、ソニー

FDK <日足> 「株探」多機能チャートより
■FDK <6955>  262円  +35 円 (+15.4%)  本日終値
 FDK<6955>が急騰。世界的に進む電気自動車(EV)シフトを背景にリチウムイオン電池の需要が急増しているが、今後予想される需給逼迫を見込んで、市場では次世代2次電池である全固体電池への注目度が高まっている。全固体電池は現行のリチウムイオン電池では液体である電解質(電解液)を固体材料に変え、正極と負極を含めすべての部材を固体で構成する電池のことで、トヨタ自動車<7203>が昨年の東京モーターショーで、2020年代前半の実用化を目指す方針を明らかにしたことから、関連銘柄を物色する動きが加速した経緯がある。そのなか、FDKは富士通研究所と共同で高電圧・大容量の全固体電池の開発を進捗させており期待が大きい。

■ラクオリア創薬 <4579>  2,541円  +299 円 (+13.3%)  本日終値
 ラクオリア創薬<4579>が大幅高。同社は疼痛疾患分野に強みを持つバイオベンチャーだが、4日取引終了後、同社の導出先AskAt社が提出した次世代選択的COX-2阻害薬の治験届が中国国家食品医薬品監督管理局(CFDA)に受理されたことを開示した。これを受け、同社はAskAtから規定された一時金を受領する。これを材料視する買いを呼び込む格好となった。

■田中化学研究所 <4080>  2,211円  +251 円 (+12.8%)  本日終値
 田中化学研究所<4080>が急動意。昨年10月下旬を境に調整局面にあったが、ここ戻り足に転じており、5日・25日移動平均線のゴールデンクロス目前にして一気に上げ足を加速してきた。世界的な自動車の環境規制強化の流れを背景に電気自動車(EV)シフトが進んでおり、基幹部品であるリチウムイオン電池の需要が急増している。同社はリチウム電池の心臓部を担い性能を大きく左右する正極材メーカーとして注目されている。業績も18年3月期は営業損益段階で5億円の黒字転換を見込んでいる。

■レーザーテック <6920>  3,450円  +230 円 (+7.1%)  本日終値  東証1部 上昇率8位
 レーザーテック<6920>が大幅続伸で連日の上場来高値更新となった。同社は半導体向けなどを中心に製造装置を手掛けており、データセンターの増設や自動車の電装化などで急増傾向にある半導体需要が追い風となっている。特に、同社は半導体の生産プロセスで欠かせない部材の欠陥検査装置(マスクブランクス検査装置)で全世界シェアを握るというオンリーワン企業であり、機関投資家からの注目度が高い。また、社名が示す通りレーザー顕微鏡などへの展開力も厚い。現在マーケットの有力テーマとなっている量子コンピューター関連では、現時点で商機につながるものはないもようだが、超微細加工技術であるレーザー分野は量子コンピューター開発においてもキーテクノロジーであり、将来的には同社の技術が関与してくる公算が大きいとみられる。

■ワークマン <7564>  4,160円  +240 円 (+6.1%)  本日終値
 4日、ワークマン <7564> [JQ]が12月度の月次速報を発表。既存店売上高が前年同月比12.6%増と3ヵ月連続で前年実績を上回ったことが買い材料視された。12月は平年よりも気温の低い日が続いたことで、裏アルミジャンパー、ウォームパンツのほか、防水防寒スーツ、裏起毛ハイネック、タイツなど防寒衣料が好調に推移した。

■アエリア <3758>  1,568円  +89 円 (+6.0%)  本日終値
 アエリア<3758>が高い。同社はきょう午前11時30分に、ソーシャルカジノ事業への参入を目的に、台湾の網銀国際と合弁会社「プレイワンゲーミング」を設立すると発表した。合弁会社は3月16日付で設立する予定で、出資比率はアエリアが51%、網銀が49%。スマートフォンやタブレットなどのモバイルコンテンツでの運営ノウハウおよび開発力を持つアエリアグループと、台湾でソーシャルカジノサービス「星城online」を運営する網銀の持つノウハウを組み合わせることで、新たなソーシャルカジノサービスを行うことが可能になるとしている。

■ソニー <6758>  5,464円  +185 円 (+3.5%)  本日終値
 ソニー<6758>が続伸。昨年11月8日に5485円の昨年来高値をつけているが、きょうは5400円台に買われ、この更新を視界に入れている。あらゆるものをネットでつなぐIoT時代の到来で、爆発的に需要が増えるとみられているのがセンサー機器。そのなか同社はCMOSイメージセンサーで圧倒的な実力を持っており、その技術力にマーケットの視線が熱い。18年3月期中間期の営業利益は前期比3.6倍の3618億3900万円と20年ぶりに同期間の過去最高を更新したが、その原動力となったのもイメージセンサー部門だ。「好実態を背景に世界的なリスクオン相場で海外資金の仕切り直しの買いが入っている」(国内大手ネット証券)という。

■東邦亜鉛 <5707>  6,510円  +200 円 (+3.2%)  本日終値
 東邦亜鉛<5707>が続伸。足もとで亜鉛価格が10年超ぶりの水準に上昇していることに注目する買いが流入した。ロンドン金属取引所(LME)の亜鉛3カ月物は4日、1トン=3360ドル前後と2007年8月以来の水準に上昇した。LME在庫が減少しており、亜鉛不足への懸念も出ている様子だ。

■ファナック <6954>  29,680円  +885 円 (+3.1%)  本日終値
 ファナック<6954>が上場来高値に買われた。時価総額も6兆円大台乗せを達成している。世界的な景気拡大を背景に、企業の設備投資需要は極めて旺盛でNC装置や産業用ロボットで高シェアを誇る同社の収益環境に吹くフォローの風は強い。海外投資家による日本株買いの動きが観測されるなか、市場では「出遅れていた欧州勢の実需買いが入り始めた」(国内準大手証券ストラテジスト)と指摘する声も出ている。

■三井不動産 <8801>  2,713円  +77 円 (+2.9%)  本日終値
 三井不動産<8801>、三菱地所<8802>など大手をはじめ不動産株が上値指向にある。米国に続き欧州でも中央銀行が金融緩和政策の出口戦略に動き出しているが、国内では黒田日銀総裁が現行の金融政策を継続する構えにある。昨年12月下旬の日銀金融政策決定会合では超金融緩和政策からの変更を示唆しなかったことで、そこを境に不動産株の買い戻しが続いている状況だ。黒田総裁は今年4月に任期満了を迎えるが安倍1強体制のもとで再選される可能性が高いともみられており、「不動産株はそれを織り込みに行く過程にある」(市場関係者)との見方もある。全体相場が急速に上値を追うなかで不動産セクターは相対的に出遅れている点も物色人気を誘う背景となっている。

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