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【特集】田部井美彦氏【トレンド完全転換、日経平均はどこまで上がる?】(3) <相場観特集>

田部井美彦氏(内藤証券 投資情報本部 投資調査部長)

―日経平均480円高で“新潮流”発生、ここからの相場展望は―

 大型連休明けとなった8日の東京株式市場ではリスクを取る動きが加速、日経平均株価が一時480円高超に買われ2万円大台を目前に捉えている。世界が固唾を飲んで見守った仏大統領選の決選投票は中道系独立候補のマクロン氏が大勝、これが全体相場を押し上げる格好となった。投資家心理が急速に改善するなかで、今後の相場展開をどう読むか。第一線で活躍する市場関係者のプロの視点を紹介する。

●「2万円台固めから、さらに上を目指す展開に」

田部井美彦氏(内藤証券 投資情報本部 投資調査部長)

 5日に発表された米4月の雇用統計が事前予想に比べて良好な内容となり、これを受けて米株高、円安・ドル高が進行。さらに、フランス大統領選の決選投票では中道・独立系で親欧州連合(EU)のマクロン氏が大差で勝利したことが好感され、全体相場を大きく押し上げる結果となった。EUの中心的存在であるフランスの離脱懸念が後退し、欧州経済の混乱がひとまず回避されたことが、投資家心理の改善につながった。

 円安・ドル高進行など市場環境が急激に好転するなかで、決算発表が継続することになる。主力輸出企業のなかには、今期の為替前提をかなり保守的に想定しているケースもあり、もし今後の円相場が、足もとの1ドル=112~113円台で落ち着いた推移となれば、比較的早い時期に業績上方修正期待感が高まりそうだ。

 決算発表が進行するなかで、日経平均株価ベースのEPS(1株当たり利益)は徐々に上昇しており、1300円台に乗せてくればPER16倍として2万800円と試算され割高感は払拭されてくる。きょうの急騰に対する反動や、2万円攻防を巡る投資家の心理的な強弱感の対立などから目先的な波乱は想定されるものの、中期的には2万円台固めから、さらに上を目指す展開が予想される。

 個別銘柄では、相対的に出遅れている自動車株のなかから日産自動車 <7201> に注目。18年3月期も三菱自動車工業 <7211> との協業による相乗効果で米中での好調が見込まれる。さらに、配当利回り4%台にも注目。建設株からは、鹿島建設 <1812> に注目。同社は17年3月期の連結業績予想を、売上高を1兆7800億円から1兆8200億円(前の期比4.4%増)へ、営業利益を1200億円から1500億円(同35.0%増)へ上方修正した。18年3月期も大型工事の進捗加速が見込まれる。任天堂 <7974> は、3月3日に発売した新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」が想定を上回る人気となっている。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(たべい・よしひこ)
内藤証券シニアアナリスト。株式市況全般、経済マクロの調査・分析だけでなく、自動車、商社、アミューズメント、機械などの業種を担当するリサーチアナリストとして活動。年間200社程度の企業への訪問、電話取材、事業説明会への参加などを通して「足で稼ぐ調査・情報の収集」に軸足を置いている。

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