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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「シナリオ通りの5月連休高値」

株式評論家 富田隆弥

ドル円の112円台乗せ(円安)や順調な業績見通しもあり、日経平均株価は5月2日に1万9400円台を回復した。4月17日の1万8224円安値から強いV字回復で、13週移動平均線や一目均衡表の「雲」を上抜き、3月の1万9600円台高値奪回に向かう勢いも感じさせる。

◆だが、薄商いの5月連休前後に国内機関投資家の買いで高値を取るというのは、過去にもよく見られたことで、この時期の高値示現は想定シナリオの範囲内でもある。問題は好材料を織り込む5月中旬以降にこの勢いが続くかどうかだ。

◆日本は大型連休が終わる。米国のFOMC(4日未明)、雇用統計(5日)、フランスの大統領選決選投票(7日)と大きなイベントを通過し、海外のマーケット次第では日経平均の3月高値更新も可能だろう。

◆しかし、海外投資家は高値圏にきた株に対してここから利食いに動く習性がある。日本株はサイコロジカル(9勝3敗)やRCI(9日線93%、13日線97%)など短期テクニカルが過熱を示す。こうしたことから、ジンクスの「セルインメイ(5月に株を売れ)」を今年も意識する時が訪れる可能性は否めない。いまは強い上昇相場にあるものの、基本として高値圏のここからは「利食い」「出遅れものにシフト」「様子見」といった慎重な対応も一策となろう。

◆決算発表は12日でほぼ出揃う。2日までの発表分だと今18年3月期は経常6.6%増、純益12%増と好調予想だが、だからといって上値をドンドン買い上がる投資家がどれほどいるだろうか。好決算でも上げるのは1日~2日、下手をすれば予想に届かずといって売られてしまう銘柄もある。それだけいまは短期売買のマネーが増えている。

◆また、運用難の機関投資家はETFなど指数型の株を機械的に買っているが、売買シェアで7割を占める外国人投資家はその機関投資家の買いに売りをぶつけることが少なくない。それが昔からのパターンであって、今年だけ例外となる理由が自分には見つからない。

(5月4日 記、毎週土曜日に更新)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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