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【経済】三井智映子と学ぶ「資産運用のABC」~あなたは“お金のデザイン”ができていますか?~押さえておきたい経済指標(第5回)


こんにちは、フィスコリサーチレポーターの三井智映子です。
資産運用の基礎知識を一緒に学んでいきましょうというこの連載、おかげさまで好評です。ぜひ保存して、実際の経済指標をチェックしながら皆様の知識として根付かせていただければ幸いです。
今回は5つ目の経済指標「マネーサプライ」についてお伝えしたいと思います。

マネーサプライは通貨供給量ともいいます。市中に出回っているお金の量のことです。
毎月、日本銀行が調査をして発表。中央銀行を含む、金融部門全体から経済に対して供給される通貨の量を指し、国や金融機関が持っている現金は除いた、一般の事業会社や個人、地方公共団体などが保有するお金の量を示しています。
具体的にいうと私たちと企業が持っている現金と預金の合計がマネーサプライです。

マネーサプライは、個人が消費のために、また企業が設備投資のためなどに銀行からお金を借りると上昇します。つまり、景気がよく、消費が増えるとマネーサプライも増えるんです。よってマネーサプライは、景気や物価の動向、そしてその先行きを判断するための指標といえます。
マネーサプライが伸びると世の中の資金が増えたことになり、その資金でモノが買われると物価が上がりますので、マネーサプライが大きいほどインフレーション(インフレ)が進行しやすいとされています。加えて、どのくらい伸びているか、その増加率によって今の、今後の経済活動が活発かどうなのかを測れます。そのため日銀はマネーサプライを金融政策実施の際の指標として利用しており、前年同月比と比べての増加率を注視しているようです。増加していればインフレ傾向にあり、景気は良いようだ、と考えられるわけですね。

マネーサプライは日本銀行調査統計局が1955年以降、作成、公表をしてきました。
2008年5月に日銀はマネーサプライ統計の見直しを実施、金融商品の範囲などが変更となり、名称もマネーストック統計に変更されました。
さてこのマネーサプライの中身を細かく分けますと、

1現金
2預金
3準通貨(定期預金や外貨預金など)
4郵便局、信用組合、農協などの預貯金や金銭信託
の4種類となります。
その組み合わせに応じてマネーサプライは、
マネーサプライM0~M4に分類されています。一応知識として押さえておきましょう。

マネーサプライM0はイギリスで発表されています。1現金+市中銀行のイングランド銀行の預金のことです。

マネーサプライM1は1現金+2預金

マネーサプライM2はM1(1+2)+3準通貨+譲渡性預金

マネーサプライM3はM2(1+2+3)+4郵便局、信用組合、農協などの預貯金や金銭信託+譲渡性預金
→今の日本のマネーストック統計で用いられる指標はこれです。

マネーサプライM4もイギリスで発表されるものです。1現金+2預金+住宅貸付組合出資金となっています。

さて経済指標について皆さんも少し詳しくなってきたと思います。
勉強しながらも投資を始めてみたいという方は人工知能を使ったロボアドバイザーに頼るという選択肢もアリかもしれません。「お金のデザイン」が開発したTHEO(テオ)は世界中で上場しているETF(上場投資信託)を投資対象としており、日本国内だけでなくアジアや欧米など幅広い国に自動的に分散投資してくれるサービスです。実際に投資をしてみると経済指標やその結果による動向も、より実感できると思います。
とはいえ投資をするか否か、その方法は自己判断で。大事なお金を投資するのですから勉強はマストだと思います!
次回もご一緒に学んでまいりましょう。

三井智映子と学ぶ「資産運用のABC」は、資産運用の基礎を三井智映子の見解でコメントしています。

フィスコリサーチレポーター三井智映子

《KS》

 提供:フィスコ

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