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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は値を戻す展開か、日米金融政策にらみに

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

今日の欧米外為市場では、ドル・円は値を戻す展開を予想したい。日米金融政策の方向性の違いが意識され、ドル買いが入りやすい見通し。ただ、トランプ米政権の政策運営に引き続き関心が集まり、移民制限への反発などに関しては目先の懸念材料として注視されよう。

今週開催の日銀金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)では、いずれも現行の政策を維持する見通しで、日米金利差を意識した取引となりそうだ。前週末の日銀の国債買入れオペ増額により円売りが強まったことで、ある市場筋は「日銀は市場が緩和方針の継続を望んでいることを確認したはず」との見方を示す。一方で、米連邦準備制度理事会(FRB)は、年後半の3回の利上げに向け足場を固める方針を示すとの見方から、ドル買い継続が見込まれる。

27日に発表された米国の10-12月期国内総生産(GDP)は、前期比年率+1.9%と予想の+2.1%を下振れたが、ある外為ディーラーは「それほど悲観論は広がっていない」と指摘。今晩22時半発表のコアPCE価格指数について、11月の伸びは鈍化したものの、12月がFRB目標の+2.0%に接近する動きとなれば、ドル買いにつながるとみている。

一方、イスラム圏7カ国の市民の入国禁止などを決めた米大統領令に関連し、全米15州の司法長官などが29日に共同声明を発表。入国禁止を違憲で違法と非難しており、トランプ政権の統治能力への影響が懸念されている。大統領令が違憲と非難される異例の事態について、先の外為ディーラーは「目先的に材料視される可能性はある」と指摘。トランプ大統領がこれまで主張していた人道上問題のありそうな「公約」に、就任直後から着手するなか、今後の政権運営に意識が向く状況が強まりそうだ。(吉池 威)


【今日の欧米市場の予定】
・22:00 独・1月消費者物価指数速報値(前年比予想:+2.0%、12月:+1.7%)
・22:30 米・12月個人所得(前月比予想:+0.4%、11月:0.0%)
・22:30 米・12月個人消費支出(前月比予想:+0.5%、11月:+0.2%)
・22:30 米・12月コアPCE価格指数(前年比予想:+1.7%、11月:+1.6%)
・24:00 米・12月中古住宅販売成約指数(前月比予想:+1.1%、11月:-2.5%)
・24:30 米・1月ダラス連銀製造業活動指数(予想:15.0、12月:15.5)

《SK》

 提供:フィスコ

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