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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は下値の堅い展開か、新政権への期待継続

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

今日の欧米外為市場では、ドル・円は弱含む展開を想定したい。昨年末からのドル高の調整ムードが続くなか、欧米株安、米長期金利低下を手がかりにドル売り先行となる見通し。ただ、トランプ米大統領の経済政策への期待は残されており、ドルの下げは小幅にとどまろう。

トランプ米大統領は20日に行われた就任式での演説で「強い米国」を築くと強調し、支持を訴えた。その日の式典では波乱はみられず、米国株はプラス圏で取引を終えたが、新大統領の保護主義的な発言がやや警戒され、週明けアジア市場ではドル売り・円買いに振れている。ドル・円は日経平均株価の軟調地合いを背景に114円を割り込み、113円台前半まで値を下げている。ある市場筋は、「今週末から始まる中国の旧正月を控え、調整が強まりやすい地合いのようだ」と指摘。今晩は材料が乏しいなか、足元で時間外の欧米株式先物が弱含んでいることで、欧米株安が見込まれ、引き続きドル売り・円買いの展開となりそうだ。

一方で、大統領就任演説の内容に関し、ある外為ディーラーは、「基軸通貨国としてのメリットを最大限に生かすとの意向のようだ。景気刺激策などでドル高に振れれば、それを否定することはないだろう」と指摘。先の市場筋も「今月末の一般教書演説などで景気対策に言及されれば、ドル高に振れる可能性はある」とし、目先のドル売りは限定的との見方を示す。また、連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が前週に利上げに前向きな見解を示したことも、ドルの下値を支える要因のようだ。そうした見方から、今晩は欧米株安や米長期金利の低下などを背景に、ドル売りに振れても、下げは限定的と予想する。


【今日の欧米市場の予定】
・20:30 ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁講演
・24:00 ユーロ圏・1月消費者信頼感指数速報値(予想:-4.8、12月:-5.1)

《SK》

 提供:フィスコ

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