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【市況】イタリア・ショックが押し目買い好機になるか/オープニングコメント


 5日の日本株市場は不安定な相場展開になりそうだ。今週は雇用統計のほか、イタリアの国民投票の結果を受けたスタートとなるが、雇用統計については、農業分野以外の就業者数は、17.8万人増、失業率は4.6%と、9年ぶりの低い水準に改善した。市場予想の18万人増を若干下回っているが、連邦準備制度理事会(FRB)が今回の雇用統計を踏まえ、12月13-14日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)において1年ぶりに利上げを行う条件が整ったという見方が大勢を占めており、問題はないだろう。

 一方で、イタリアの国民投票については、出口調査で「否決優勢」と伝えられている。市場ではブレグジットとドナルド・トランプ氏の次に来るのはイタリアとの見方もされていた。既に警戒感が強まっているなかではあるが、結果を受けた日本市場のマーケットインパクトは相当大きいとみられる。様子見姿勢のなか、先物市場での短期売買に振らされやすいだろう。

 週明けの欧米市場の動向を見極めることになるが、イタリア国民投票が通過し、市場の落ち着きがみられるようだと、改めてトランプ政権に対する期待等から物色意欲が強まることになろう。翌週のFOMCで利上げ実施となり、円相場のドル高・円安、減産合意でまとまった原油相場の安定を背景に、年末相場に向けた先高観が強まるとみておきたい。

 これといった押し目がない状態が続いており、押し目買い意欲は強いだろう。海外勢は3週連続での買い越しとなるなど、日本株買いへの基調は変わっていない。逆日歩銘柄の増加など、需給面では上へのトレンドが出やすいと考えられ、イタリア・ショックの局面があるようなら、押し目買いの好機となろう。
《AK》

 提供:フィスコ

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