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【通貨】欧米為替見通し:ドルは底堅い展開か、ブラックアウト直前に慎重派の“心変わり”に期待

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

今晩から週明けにかけての欧米外為市場では、ドル・円は底堅い展開となりそうだ。足元の米経済指標は低調な内容が目立っているものの、「ブラックアウト」直前のタイミングで早期利上げに慎重な米連邦準備制度理事会(FRB)幹部からタカ派的な見解が示されれば、FRBが9月利上げを市場に織り込ませるサインとの見方から、ドル買いにつながろう。

20-21日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、米国の8月雇用統計などFRBの政策判断に影響を与える重要指標が市場予想を下振れるケースが目立ち、足元では9月の利上げ観測は大きく後退。7日にはタカ派で知られるジョージ米カンザスシティ連銀総裁らから強気な見解が相次いだものの、ドル売り基調を変えられなかった。

だが、FRB当局者が金融政策に関して踏み込んだ発言が制限されるブラックアウト期間(FOMC開催される前の週の火曜日からFOMC終了時まで)が迫るなか、ハト派と位置づけられる当局者の発言がタカ派に変わった場合は大きなインパクトを持つだろう。今晩は21時15分のローゼングレン米ボストン連銀総裁(投票権あり)と22時半のカプラン米ダラス連銀総裁による講演が注目される。両総裁はこれまで利上げに慎重な見解を示している。

さらに、ブラックアウト入り直前の12日にブレイナードFRB理事の講演が急きょ設定された。同理事も、FRBのインフレ目標が達成された時点で利上げに踏み切るべきとの慎重派だ。仮にこの3人のハト派当局者からタカ派的な見解が示されれば、FRBが9月利上げを市場に織り込ませる意図と受け止められる可能性があり、ドル買いが強まる展開を想定したい。


【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・7月貿易収支(予想:-116.50億ポンド、6月:-124.09億ポンド)
・21:15 ローゼングレン米ボストン連銀総裁講演(経済見通し)
・21:30 カナダ・8月失業率(予想:7.0%、7月:6.9%)
・22:30 カプラン米ダラス連銀総裁講演
・23:00 米・7月卸売在庫改定値(前月比予想:+0.1%、速報値:0.0%)
・EU財務相・中銀総裁の非公式会合(10日まで)

《WA》

 提供:フィスコ

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