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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~米雇用統計の前哨戦控え、輸出関連には買戻しも

ドル円 <日足> 「株探」多機能チャートより

7日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・米雇用統計の前哨戦控え、輸出関連には買戻しも
・ドル・円は100円91銭付近、ドル弱含み、豪ドル安の波及で
・政府筋「財務省と金融庁、日銀による3者会合を8日午前に開催」



■米雇用統計の前哨戦控え、輸出関連には買戻しも

日経平均は続落。35.62円安の15343.37円(出来高概算9億4000万株)で前場の取引を終えた。欧州の景気懸念から売りが先行した。6日の米国市場は反発となっていたが、FOMC議事録を受けた利上げ観測の後退が要因であり、結果的には円高が重石となっている。

寄付き直後には一時15400円を回復し、プラスに浮上する場面もみられた。しかし、円相場が再び1ドル100円台の円高に振れるなか、戻り売りに押される展開に。東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1000を超えており、全体の過半数を占めている。規模別指数では小型株指数の弱さが目立つ。セクターでは証券、その他金融、輸送用機器、電力ガス、ゴム製品、銀行、保険がしっかり。一方で、不動産、情報通信、建設、化学、鉱業がさえない。

日経平均は前日の値幅水準でのこう着となっている。SOSEI<4565>など個別の材料で動意をみせているものもあるが、トヨタ自<7203>、メガバンクの上昇などはリバランスの流れであろう。方向感が掴みづらいなか個別材料株等での短期的な値幅取り狙いの商いが中心になりそうだ。

また、米国では週末の雇用統計の前哨戦となるADP雇用報告の発表が予定されている。5月の雇用統計の悪化が一時的だったのかを見極める材料として、市場の関心は高い。いったんポジションニュートラルと考えれば、円高が重石になるとはいえ、輸出関連辺りには買戻しが意識されそうだ。


(株式部長 村瀬智一)



■ドル・円は100円91銭付近、ドル弱含み、豪ドル安の波及で

7日午前の東京外為市場では、ドル・円は弱含む展開となった。オーストラリアの格付け見通し引き下げによる豪ドル売りに連動する場面もあった。ドル・円は、101円前半で寄り付いた後、日経平均株価の下落を受けドルは下落基調となった。リスク回避的な動きが弱まっておらず、やや円買いに振れやすい流れ。

また、米S&Pがオーストラリアの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたことで豪ドル売りが強まり、対円では76円付近から75円28銭まで下落。ドル・円は豪ドル安に連動し、一時100円75銭まで下げた。その後は豪ドル売りが一服したことや日経平均の下げ幅縮小で、ドル・円は101円付近に値を戻している。ランチタイムの日経平均先物がプラス圏に切り返しているため、ドルは午後の取引では101円台を中心に推移する可能性はあろう。

ここまでドル・円は100円75銭から101円40銭、ユーロ・ドルは1.1074ドルから1.1103ドル、ユーロ・円は111円59銭から112円54銭で推移。

12時20分時点のドル・円は100円91銭、ユーロ・円は111円91銭、ポンド・円は130円56銭、豪ドル・円は75円79銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)



■後場のチェック銘柄


・値下がり寄与トップはKDDI<9433>、2位ソフトバンクG<9984>となり、2銘柄で日経平均を約28円押し下げ
・ニトリHD<9843>、不二製油<2607>など7社の目標株価変更

・政府筋
「財務省と金融庁、日銀による3者会合を8日午前に開催」

・黒田日銀総裁
「景気は基調として緩やかな回復を続けている」
「必要な場合は、3次元で追加緩和を講じる」



☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・14:00 日銀7月地域経済報告
・14:00 5月景気動向指数・先行(予想:100.0、4月:100.0)


<海外>
・15:00 独・5月鉱工業生産(前月比予想:+0.1%、4月:+0.8%)

《WA》

 提供:フィスコ

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