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【特集】テクマトリックス Research Memo(10):中国及び東南アジアを中心とした海外市場への展開に注目

テクマト <日足> 「株探」多機能チャートより

■TMX3.0以降の成長戦略にも着手

テクマトリックス<3762>の2016年3月期はTMX3.0以降の成長戦略にも着手した。当面の注目点としては、中国及び東南アジアを中心とした海外市場の展開と、IoT関連ビジネスの育成である。

海外展開は、今回及び過去のレポートでも触れたが、中国では遠隔医療事業、東南アジアでは自社開発のコンタクトセンターCRMシステム「Fastシリーズ」を展開する事業体制を整えている。東南アジアではトランスコスモス(タイ)を販売代理店として市場浸透を図る。このほど、同社から海外駐在員を複数名現地に派遣した。販売体制の強化に加え、国内の情報基盤事業と同様、将来の直販体制構築に向けた準備も着々と進めている。

より巧妙化するサイバー攻撃に対応するため、次世代のエンドポイント・セキュリティ製品のビジネスを始めた。2016年6月に米国のセキュリティベンチャーTANIUM(タニウム)社と国内総代理店契約を結び、まったく新しいセキュリティプラットフォームを発売した。社名と同じ「タニウム」というプラットフォームは、既存のセキュリティ製品では検出に数日から数週間かかる数百万台のエンドポイントの不正アクセスや脆弱性を、わずか数秒で検知できる。

「Tanium Endpoint Platform(タニウム エンドポイント プラットフォーム)」は、数多くの業務PCを保有する大企業においてより一層威力を発揮する技術である。そのため、営業開拓にはそれなりに時間が掛かるが、同社では既に有望案件を既に抱えているという。また、海外事業に関しても慎重に拡大を図っていく。そのため、これらビジネスが収益源になるのは、TMX3.0以降としているが、中期経営計画の次を見据えた成長戦略を既に進めている点を評価すべきであろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)

《TN》

 提供:フィスコ

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