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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~個別材料やテーマ株の一角に資金向かう


23日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・個別材料やテーマ株の一角に資金向かう
・ドル・円は112円28銭付近、株価にらみの展開
・複数の証券会社が鹿島<1812>の目標株価を引き上げ


■個別材料やテーマ株の一角に資金向かう

日経平均は小反落。6.73円安の17041.82円(出来高概算8億1000万株)で前場の取引を終えている。ベルギーのブリュッセルで発生した連続テロ事件を受けた地政学リスクの高まりが警戒されるものの、22日のNYダウは小幅な下げにとどまっていたほか、シカゴ日経225先物清算値は大阪比15円高の16925円となる中、日経平均は小幅に続伸して始まった。

ただし買い一巡後に17142.08円まで上げ幅を広げたが、前日の大幅上昇に対する利益確定も出やすく、こう着感の強い相場展開に。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が若干上回っており、全体の過半数を占めている。規模別指数は小幅ながらも、大型、中型、小型株指数いずれも下落。セクターでは電力ガス、水産農林、小売、建設、不動産、陸運、医薬品などがしっかり。一方で、機械、鉱業、ガラス土石、卸売、証券、石油石炭、電気機器が冴えない。

日経平均は17000円を上回っての底堅い値動きとなり、ブリュッセルで発生した連続テロ事件に対しては過度な警戒感は強まっていないようである。もっとも、セクターでは内需・ディフェンシブ系がしっかりであり、リスク回避的な物色に向かわせている。また、物色については個別の材料のほか、一部テーマ株、低位材料株などに短期筋の値幅取り狙いの資金が向かっている。ただし、SOSEI<4565>など値がさに向かっていることもあり、投資資金の大きさから波及しづらい面もありそうだ。

一方で、3ケタで100株単位の銘柄には、手掛けやすさから短期筋の資金が集中しやすく、ある程度流動性が大きい銘柄が活気付くようだと、他の関連銘柄へも波及しやすいだろう。

(株式部長 村瀬智一)


■ドル・円は112円28銭付近、株価にらみの展開

23日午前の東京外為市場で、ドル・円は112円前半で推移した。手がかりが乏しく積極的なドル買い材料は手控えられた。

日経平均株価は上げ渋ったほか上海総合指数は前日終値を挟んだ値動きのため、株高継続を期待したリスク選好的な円売りは一服。ドル・円は112円前半で株価にらみの展開となった。足元では手がかりが乏しく、積極的なドル買いは手控えられているもよう。

ランチタイムの日経平均先物は前日終値付近で推移しているため、ドルは午後の取引も一進一退となりそうだ。ただ、原油価格はやや値を下げているが高値圏推移が続いているため、リスク回避的な円買いが強まる展開は想定しにくい。

ここまでは、ドル・円は112円14銭から112円44銭、ユーロ・ドルは1.1209ドルから1.1224ドル、ユーロ・円は125円77銭から126円08銭で推移した。

12時22分時点のドル・円は112円28銭、ユーロ・円は125円90銭、ポンド・円は159円45銭、豪ドル・円は85円73銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・ファーストリテ<9983>が日経平均を約37円押し上げ
・値下がり寄与トップはTDK<6762>で、前引け時点3.6%安
・複数の証券会社が鹿島<1812>の目標株価を引き上げ



☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・14:00 布野日銀審議委員会見

<海外>
・特になし

《SY》

 提供:フィスコ

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