【市況】後場に注目すべき3つのポイント~中小型株にシフト
22日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・大幅反発も強弱感が対立しやすい水準、中小型株にシフト
・ドル・円は111円94銭付近、株価にらみの展開
・日経平均値上がり寄与度トップはKDDI<9433>、日経平均を約21円押し上げ
■大幅反発も強弱感が対立しやすい水準、中小型株にシフト
日経平均は大幅に反発。336.98円高の17061.79円(出来高概算9億株)で前場の取引を終えた。21日の米国市場は利上げ観測の後退や堅調な原油相場が引き続き好感されており、NYダウは7日続伸だった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比245円高の16755円となり、これにさや寄せする格好から始まった。その後も、円相場が1ドル112円20銭辺りと、朝方からやや円安に振れていることも、買戻し等を誘う要因になっているようだ。
ただし、寄り付き直後に17107.80円をつけた後は、17000円を挟んでの狭いレンジ内での取引が続いている。セクターでは33業種すべてが上昇しており、その他製品、精密機器、医薬品、輸送用機器が3%を超える上昇。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1600を超えており、全体の8割を占めている。売買代金上位では、トヨタ自<7203>、フィスコ<3807>、メガバンク3行のほか、任天堂<7974>、ソニー<6758>が堅調。半面、ソフトバンクグ<9984>、SOSEI<4565>が冴えない。
日経平均は寄り付き直後に17000円を回復すると、その後は同水準でのこう着が続いている。5日線や一目均衡表の転換線をクリアしているほか、ボリンジャーバンドの+1σ水準を捉えてきている。一方で、価格帯別出来高では16900-17100円レベルの商いが膨らんでいる水準であるため、強弱感が対立しやすいところであろう。また,前場半ば以降は、ほぼ横ばいで推移しており、日経平均が300円を超える上昇ではあるが、参加しづらい面もありそうだ。
為替相場はドル・円が1ドル112円台前半で推移しているが、再び111円台をつけてくるようだと、利益確定の流れに向かう可能性があり、引き続き為替相場を睨みながらの相場展開になりそうだ。その為、物色はテーマ性のある中小型株への資金シフトが強まりやすいだろう。
(株式部長 村瀬智一)
■ドル・円は111円94銭付近、株価にらみの展開
22日午前の東京外為市場で、ドル・円は112円を回復した。日経平均株価の堅調な値動きを好感した。
ドル・円は日経平均の上昇を受け国内勢によるドル買いが強まり、112円21銭まで上昇した。その後日経平均の上げ幅縮小で一時111円84銭まで値を下げたが、再びドル買いの動きとなり112円台まで戻した。
ランチタイムの日経平均先物は堅調地合いのためドルには買いが入りやすいが、上海総合指数はマイナス圏で推移しており、リスク選好的なドル買いが大きく広がる状況ではないとみられている。このため、午後の取引ではドルの上値は重そうだ。
ここまではドル・円は111円84銭から112円21銭、ユーロ・ドルは1.1230ドルから1.1251ドル、ユーロ・円は125円74銭から126円07銭で推移している。
12時17分時点のドル・円は111円94銭、ユーロ・円は125円95銭、ポンド・円は160円99銭、豪ドル・円は85円01銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・日経平均値上がり寄与度トップはKDDI<9433>、日経平均を約21円押し上げ
・積水ハウス<1928>、NTT<9432>の目標株価引き上げ
☆後場の注目スケジュール☆
<国内>
・13:30 1月全産業活動指数(前月比:+1.9%、12月:-0.9%)
<海外>
・14:15 スティーブンス豪準備銀行総裁講演
《SY》
提供:フィスコ